馬原孝浩、“脳に刻まれた怖さ”との戦い 完全復活へ「芽が出てきた」
昨季「完全復活」の声も、本人は厳しい評価
オリックスの宮崎・春季キャンプは第2クールに突入した。ブルペンでは12球団NO1の投手陣たちが連日、心地よいミット音を鳴らし続けている。
2月4日の休日を除いて初日から5日連続してブルペン入するなど、例年にない仕上がりの早さを見せるのは馬原孝浩。
「肩の可動域、筋力は数字をみても若い時を超えている。まだ(野球人生の)折り返しにもいってない感じですね。今の知識を持っていれば右肩の手術はしなくてよかった。後悔しているぐらいですね」
馬原が味わった苦しみ、もがき続けた時間は決して無駄ではなかった。
ソフトバンク時代は通算180セーブを挙げ絶対的守護神として君臨。順調に過ごしてきたプロ生活に異変が生じたのは2011年だった。右肩痛を抱えて調子が上がらず、2度の2軍落ちを経験。中日を下した日本シリーズでも、途中でストッパーの座を失い、胴上げ投手にはならなかった。
翌2012年2月に手術に踏み切り、実戦登板がないままシーズンが終了。そして2013年1月、ソフトバンクにFA移籍した寺原の人的補償としてオリックスへ移籍した。移籍初年度にも開幕前に右肩を故障しわずか3試合の登板に終わった。復活への1歩を歩み出したのは昨シーズン。55試合に登板し1勝4敗。防御率3・55の成績を残し周囲からは「完全復活」と評価された。
だが、本人の評価は厳しものだった。