「今日打たないと僕に明日はない」―西武13連勝の立役者・山川を支えるもの

西武・山川穂高【写真:編集部】
西武・山川穂高【写真:編集部】

西武59年ぶり13連勝の立役者、山川の3打席連発を生んだ「昨日の悔しさ」

 7月21日から4カード連続全勝で、4日は首位ソフトバンクも破って59年ぶりの13連勝を達成した西武。特に、8月1日からの(当時)首位・楽天との直接対決は、今後の順位争いを大きく左右する鍵となりそうな大事なゲームだっただけに、3タテは非常に大きかった。その立役者となったのが、山川穂高だった。

 2戦目の同2日、昨年初対戦し、3打数3連続三振と「コテンパンにやられた」(山川)則本昂大を相手に2打席連続本塁打、4打点。代わった久保裕也の変化球も、レフトスタンドに放り込み、プロ初の3打席連続本塁打を記録する大爆発を見せた(3軍戦では1年目に記録)。さらに、翌3日も4打数3安打3打点と連夜の猛打賞の活躍で、菊池雄星の11勝目を後押し。4日のソフトバンク戦では、値千金の決勝2点二塁打を含む2安打2打点で、チームに13連勝をもたらした。

「自分の居場所は、自分で確保するしかない」

 今季、自ら課していることが、大きな成果として表れたと言っていいだろう。

 3打席連続弾という快挙の最大の要因にも、山川は「昨日の悔しさ」を挙げていた。前日の試合、4回無死走者二塁の場面でショートゴロ。さらに、6回無死満塁の大チャンスにもショートフライトと、2度も「自分らしくないバッティング」で逸機した。その猛省から、たとえ、相手が打てていない則本だろうが、「ここで当てにいったら、(自分らしくなかった昨日と)一緒。三振してもいいから、しっかり振ろう」と、気持ちの整理がつけられたことが、好結果を生んだという。そこまで割り切れたのは、ほかでもない。毎日直面している危機感からだ。

「今日打たないと、僕に明日はない」

降格後に2軍で打率3割を「ノルマ」にした理由

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