“日本仕様”に近づく松坂大輔 「143球」の投げ込みで見せた進歩の跡
松坂、「143球」に込められた狙いとは
一歩ずつ、着実に歩みを進めている。ソフトバンクの松坂大輔投手(34)は、宮崎キャンプ第3クール初日の10日、このキャンプ3度目のブルペンに入った。フォーム矯正の手段にもなるカーブ、そして、この日解禁したスライダーを交えて143球を投げ込んだ。これは今キャンプ最多の球数だった。
「自分が今、どれだけ投げられるかの確認。思ったより、早く疲れましたね。もうちょっと投げられれば良かったですけど、疲れました」
こう振り返った松坂には、この日、いくつかのテーマがあった。それは、キャンプ初日から続けている、メジャーで崩れてしまった投球フォームを“日本仕様”へと変える作業である。
ブルペン捕手を座らせると、まず、5球連続でカーブを投げ込んだ。最初の20球でカーブが実に半分の10球。これには明確な意図があった。
「僕はカーブを投げている投げ方がいい。カーブを投げているタイミングが良い感じだった。カーブの時はスムーズに投げられている」
実際、カーブを投げる時の松坂のフォームは肘が高く上がり、スムーズに肘が抜けてくる。体重移動も、これまで軸足の右足に残りがちだったが、踏み出した左足へと奇麗に体重が乗っていた。理想の投球フォームを体へ染み込ませるためにも、カーブを多く織り交ぜた。
初めてブルペンで本格的な投球練習を行った5日は、捕手を座らせて35球。2度目のブルペンでは34球。それが、この日は急激に球数が増えた。キャンプの疲れもたまってくる第3クール。このタイミングで球数を投げたことにも意図がある。