助っ人を変化球攻め、牧田の幻惑配球…楽天が開幕へ向け開始した西武への“駆け引き”
巨人戦で本塁打など好調のスパンジーを変化球攻めで3球三振2つ
“3戦4発”でプチ・ブレークした感のある西武のコーリー・スパンジェンバーグ外野手に対し、楽天投手陣が9日にメットライフドームで行われた練習試合で変化球攻め。迫る公式戦開幕へ向け、虚々実々の駆け引きが始まった。
楽天先発の2年目左腕・弓削は1回2死一、二塁でスパンジェンバーグを迎えると、110キロ台のカーブを2球続けて見逃しストライクを2つ取った後、外角低めに129キロのカットボールを投じ3球で空振り三振に仕留めた。3回2死走者なしで、スパンジェンバーグを迎えた際には、初球のカットボールを空振りさせた後、内角のストレートをとらえられたが、左飛に逃れた。5回2死満塁のピンチでは、2番手で登板した15年目のベテラン右腕・青山が相対すると、スライダー2球で追い込み、真ん中低めの141キロのストレートで1球も振らせず3球三振。7回1死一塁では、4番手の右腕・寺岡が初球の116キロの内角カーブでタイミングを外しバットを折ったが、打球は中前にポトリと落ちるヒットになった。
スパンジェンバーグは、今月2日の巨人との練習試合で菅野の150キロをとらえ東京ドームの右翼席上部の看板を直撃する特大弾を放ったのを皮切りに、3試合で4本塁打を放ち周囲を驚かせた。本人は「自主練習期間中、真っ直ぐに遅れないことをテーマに調整してきた」と明かしたが、実は本塁打は全てストレートを打ったものだった。
この日は、楽天投手陣がスパンジェンバーグに投じた9球中7球が変化球で、3球三振が2つ。今度はスパンジェンバーグが変化球への対応を問われることになった。今月19日の公式戦開幕へ向けて、今後は練習試合で相手投手が故意に得意のコース、球種を投げて“エサをまく”ケースも考えられ、駆け引きから目が離せない。
また、この日は、メジャーから3年ぶりに日本球界に復帰した楽天・牧田和久投手と、古巣の西武打線との対戦も興味深かった。