先発ローテ6人目いない!? 西武・辻監督の苦悩「たまらん、ホントにもう…」
元虎左腕・榎田が急浮上、十亀も本田も「ピッとしなかった」
19日の公式戦開幕が迫る中、西武は6人目の先発投手が見つからない。11日にメットライフドームで行われた楽天との練習試合では、先発の十亀剣投手が3回6安打2四球2失点、3番手で5回から登板した本田圭佑投手も3回6安打1四球1失点と決め手を欠いた。
辻発彦監督は試合後に「6人目の先発? そこはもうちょっと考えます。今日も十亀と本田はどうかなと思いながら投げさせたけれど、もうひとつピッとしなかった」とがっかり。「本田に関しては、ストレートの走りはよかったが、コントロールミスというか、思い切って投げ切れないところがある。気持ちの問題だと思うんだけどね。もう一皮むけて、バッターに向かっていく気持ちを感じさせてくれればいいんだけど」と苦言を呈した。
西武の先発投手陣は、辻監督が「コロナ禍で開幕が延期されていなかったら、開幕カードで先発させるつもりだった」と明かす松坂が、右膝の不調などによる調整不足で開幕2軍決定。貴重な左の先発として期待されていた新外国人ノリンも2軍落ちした。ニール、高橋光、松本、今井、進境著しいアンダースローの與座の5人は確定済みだが、残る1人が決まらない。
指揮官は「榎田ももちろん考えてますよ」と、一昨年の春季キャンプ後に阪神からトレードで移籍した33歳の左腕の名前を挙げた。榎田は移籍1年目こそ11勝(4敗)をマークしたものの、昨季は左上腕部の故障などがたたり4勝3敗、防御率6.52。今年も春季キャンプをB班(2軍)で過ごし出遅れていたが、今月7日に2軍練習試合で4回1安打4奪三振無失点の快投を演じ、猛アピールしていた。
それにしても、この日の試合も12-8で楽天を降したとはいえ、計5投手を登板させ、自軍を上回る18の安打を浴びて8失点。辻監督は「見ての通り。3者凡退は1度もなし。たまらん、ホントにもう……」と思わず愚痴った。
皮肉なことに、“山賊打線”の異名を取る野手陣は3戦4本塁打の新外国人スパンジェンバーグ、昨季投手から外野手に転向し成長著しい川越、この日5打数3安打2打点の鈴木、ショートの控えで2ランを含む4打数2安打3打点の呉念庭ら、新顔が次から次へと台頭するのに、投手陣の現状は対照的。指揮官を狂喜させるような救世主が現れないものか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)