カノの電撃移籍でイチローがさらに窮地に!?
カノがマリナーズへ電撃移籍
ヤンキースにとって3つの大きな出来事が同じ日に起こった。6日、米メディアはFAとなっていたロビンソン・カノがマリナーズと10年2億4000万ドル(約246億円)で合意に達したことを一斉に伝えた。さらに、同じくカーティス・グランダーソンはメッツと4年6000万ドル(約62億円)で合意。一方で、黒田博樹とは1年1600万ドル(約16億5000万円)での再契約にサインできそうだ。
さて、カノというスター選手を失ったヤンキースは、どんな手に出るのか。米CBSスポーツ電子版は今後の補強策について予想している。すでに、捕手のブライアン・マッキャンを獲得。ジャコビー・エルズベリーとも大型契約に合意して市場に衝撃を与えた名門球団だが、外野手をさらに補強する構えだという。これが本当なら、イチローの立場はますます厳しくなる。
球界で5本の指に入るスター選手のカノを失い、まずはセカンドのポジションをどう埋めるかが最大のテーマとなる。すでに“保険”としてケリー・ジョンソンを獲得していたヤンキースだが、小粒な印象は否めない。現実的なオプションはタイガースからFAとなったオマール・インファンテになるという。
さらに、打線においてはパワー不足も補わなければいけない。外野の一角を占めるブレッド・ガードナーは突出した守備力とスピードを誇るが、パワーに欠けている。問題を解決できるのは、秋信守の獲得だという。4割2分3厘という出塁率の高さと今季21本塁打を放ったパワーは魅力だ。カノと再契約に至らなかったことで、ヤンキースは1億7500万ドルの予算を残していると見られ、インファンテと秋信守の2人と契約を結ぶことは可能だ。
一方で、先発投手の補強も必須。そこで「プランB」として浮上するのは、秋信守よりも安い予算で済むベテランのカルロス・ベルトランとの契約だという。ここで予算を抑えることで、ポスティングシステム(入札制度)でのメジャー挑戦を目指す楽天・田中将大の獲得に資金をつぎ込める。
「インファンテ、秋信守」か「インファンテ、ベルトラン、田中」か。どちらにしても、すでに外野手はエルズベリー、アルフォンソ・ソリアーノ、ガードナーがおり、イチローは最悪の場合、5番手まで序列を下げられることになる。そうなれば、トレードも一気に現実味を帯びてくるだろう。
カノのようなスター選手を失ったことで、何が起こるかを予想するのは難しい。ただ、記事では、損失を埋められるのは「ヤンキースダラー」だとしている。つまり、金だ。イチローは、その犠牲者になってしまうのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count