史上初の“都立卒”初白星 オリ鈴木優を変えたプエルトリコでの転機
プロ6年目の勝負の年に「どうせなら楽しんでいこうと」
■オリックス 6-0 西武(1日・メットライフ)
意外な救世主が現れた。泥沼の7連敗を喫していたオリックスは1日、メットライフドームで西武と対戦し、先発のプロ6年目・23歳の鈴木優投手が5回無安打7奪三振2四球無失点の快投を演じ、6-0で快勝。開幕3戦目の6月21日・楽天戦以来、10日ぶりの白星(今季2勝9敗)を挙げた。鈴木優は投球中に右腕を痛め、ヒットを打たれないまま5回限りで降板したが、通算5試合目の登板でプロ初勝利を挙げた。
鈴木優はツーシームや縦のスライダーを武器に熱投。4回先頭の森に2球目を投じた瞬間、「右腕がつって」ベンチ裏で治療を受ける場面があったが、5回まで投げ切り、大事を取って73球で降板した。
東京都立雪谷高から2014年ドラフト9位で入団。昨年7月10日に楽天生命パークで行われた楽天戦でプロ初先発したが、2回1安打3四球1失点で降板し、勝ち負けは付かなかった。今季は6月26日のロッテ戦で山岡の緊急降板で1回1死から登板し、3回2失点。先発のチャンスをつかんだ。
鈴木優は遅咲きの初勝利に「1年1年成長してきた実感がある。腐らず、地道に練習してきたと言えます。それが良かった」と感無量。昨季オフ、プエルトリコで行われたウインターリーグに派遣されたことが転機になったそうで、「今日もワクワクして楽しかった。去年までならガチガチに緊張していたと思います。プエルトリコの人たちには、勝っても負けても、野球を楽しむ姿勢があった。僕も6年目で勝負の年であることはわかっていますが、どうせやるなら楽しんでいこうと思っています」と明かした。
ウイニングボールは「両親にプレゼントしますが、お世話になった人がたくさんいるので、今日使ったボールを含めて、3個くらい贈りたい」と初々しかった。
一方、西武は8回先頭の中村がオリックス4番手のヒギンスから左前打を放ち、継投によるノーヒットノーラン(公式戦では過去4度)を免れるのが精いっぱい。結局2安打無得点に終わり、連勝が4でストップした。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)