オルティスがカノの移籍を歓迎

ヤンキースはチームの「顔」を失った

 ヤンキースは大きな穴を埋められるのだろうか。6年ぶりの世界一に輝いたレッドソックスの主砲デビッド・オルティスが、FAとなっていたロビンソン・カノの移籍を歓迎した。同じドミニカ出身の後輩は、ヤンキースとの残留交渉がまとまらずに10年2億4000万ドル(約247億円)でマリナーズと合意。米国のケーブル局ESPN(電子版)は、オルティスが同地区の宿敵からカノが抜けたことを喜んでいると伝えている。

 記事によると、オルティスは地元ラジオに出演し、今回のビッグニュースに言及した。ヤンキースはチームの「顔」を失ったと表現。その恩恵をレッドソックスが受けるとしている。同郷のカノを「あいつは俺たちを痛めつけてきた」と独特の表現で絶賛し「怪物のような数字を残してしてきた。それを忘れることはないだろう。これから西海岸で何が起こるかを見てみよう」と話している。

 オルティスは、カノの超大型契約には驚いていないという。「カノのように若く、才能と技術がある選手が持っている権利だ。私はヤンキースが彼を手放すことが信じられなかった。彼はクラブの顔だ。ヤンキースでプレーしている間、球団の顔だったんだ。すべての選手を支えていたからね」。レッドソックスにとって有利となるニュースだが、その言葉はどことなくさみしげだ。

 カノは8日にシアトルに入り、9日にフィジカルチェックを受ける予定。そして、メジャー史上3位タイの大型契約に正式にサインする。

 長年、マリナーズの顔だったケン・グリフィーJrは、カノが加入することで、マリナーズは高いレベルに押し上げられると考えている。地元紙シアトル・タイムズの取材に「(躍進は)可能だろうね。そうなることを望んでいるよ」と答えた。「マリナーズに来る選手は不調に陥る傾向にあるけど、働き盛りで来る彼があらゆる選手の目を覚まさせて、シアトルにいい選手が集まるように道を作ってくれたらいい」。長年の低迷からの脱出に向け、期待は大きい。

 オルティスは、カノの大型契約を改めて「当然だ」と認める。「彼は現在、メジャー最高の選手の1人だ。彼の存在が試合(に勝つこと)を簡単にしてくれる。これから、我々は試合で彼をたくさん見なくて済むようになる。神に感謝するよ。彼は西海岸に行くんだ」。同地区から強敵がいなくなるのは歓迎だ。そして、もちろん今後の成功も祈っている。最後には「ベストを尽くして欲しいね。彼は親友だし、(今回の)契約に値する選手だよ」とエールを送っていた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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