「調子の問題じゃなくなる時期」― ホークス中村晃が“職人”の一振り
「少しでも貢献できるように打ちたい」
貴重な決勝点を生み出したのは、“職人”の一振りだった。1日の楽天戦(ヤフオクD)。ソフトバンクの中村晃外野手が、勝負を決めた。
4回だ。先頭の明石が右前安打で出塁すると、今宮が犠打で送って1死二塁。ここで中村晃が適時打を放った。1ボール1ストライクからの3球目。外角低めへのチェンジアップをはじき返し、中前へと運んだ。「今日は岸さんが良かった。今日の中では1番甘かった。それくらい良いところに来ていました」。13三振を奪われた岸から、唯一と言える好球を一振りで仕留めた。
好守を連発し、守備面での貢献も光っている中村晃。ただ、打撃面に関しては、打率2割7、8分前後に留まっており、本来の姿からすると物足りなさが残る。8月24日の西武戦、25日のロッテ戦(ともにヤフオクD)で自身初となる2試合連続本塁打を放ち、徐々に状態は上向いてきている。
ただ、中村晃自身は「調子とかの問題じゃなくなってくる時期。とにかく勝てるところで、少しでも貢献できるように打ちたい」という。マジック16が点灯した一戦での決勝打は、まさにその言葉通りの一打。「今日は投手のおかげですね」と投手陣に感謝した中村晃だが、守備、ここに来ての打撃と、投手を助ける働きが光っている。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)