【小島啓民の目】縦カーブ習得に要したのはわずか2日 大瀬良の成長の裏にある「学ぶ姿勢」
指導者は利用するもの、受身になるな
こんにちは、小島啓民です。1995年から三菱重工長崎で監督になった私はかれこれ20年、指導者の立場から野球を見ています。社会人の大会や全日本の大会、プロとアマの混成チームの大会、また侍ジャパンのように、ほとんどがプロ選手のチームにコーチとして帯同したこともあり、勉強になることばかりです。プロに進んだ選手たちの活躍を見ると、本当にうれしい気持ちになります。
今年は黒田博樹投手の復帰で広島カープが盛り上がっていますね。そのカープにはアマの全日本時代に世界を相手にともに戦った田中広輔(東海大学―JR東日本)、小窪哲也(青山学院大学)の両内野手をはじめ、多くの仲間が活躍しています。私も野球ファンの皆さんと一緒で、今年のカープの戦いぶりには非常に注目をしています。
その「戦友」の中でも特に印象的だった選手がいます。昨年、セ・リーグの新人王を獲得した将来のカープのエースになるであろう大瀬良大地選手です。
2012年、九州共立大の3年生だった大瀬良選手は台湾で開催されたBFAアジア選手権のメンバーに選ばれました。私は日本代表の監督を務めました。合宿、練習試合を通じて彼との関わりは鮮明に覚えています。
私と同郷(長崎)ということもあり、長崎日大高校時代から投げている姿を幾度も見てきており、その才能には驚かされるばかりで、ぜひ一緒に戦ってみたいと思わせる逸材でした。