「SPORTS ENTERTAINMENT TRADE SHOW 2017」に見るスポーツ界の未来
「今後のプロスポーツ業界の発展に向け、種目の壁を越えた」イベントは大盛況
「SPORTS ENTERTAINMENT TRADE SHOW 2017」のロゴ入り看板下入口を通り抜けると、スポーツファンには夢のような空間が広がっていた。7月下旬、都内のエキシビジョンホールに数多くのスポーツ関連商材が集結。場内に展示されていたのはユニホームやTシャツ、キャップやタオルなど、スポーツシーンにお馴染みのものから、まだ一般には市販されてはいない商品や試作段階のアイテムまでが色とりどりに並んだ。
「今後のプロスポーツ業界の発展に向け、種目の壁を越えた」と銘打たれたように、イベントに出展した企業は47を数える。各ブースでは、それぞれの会社が自社製品を積極的にプレゼンテーションしていた。来場予定に記された団体は、プロ野球、Jリーグ、Bリーグといったプロスポーツチームだけではなく、ラグビーやプロレス、空手の連盟や、一般企業までを含めて、およそ100に及んだ。
近年はプロスポーツの枠を越え、新たなファン層の拡大に貢献している“コラボグッズ”が場内で見られた。昨年に『名探偵コナン』とプロ野球12球団がコラボレーションした際、グッズの制作を手掛けたのが「株式会社フォーカート」だ。同社は、今春から新たに『あらいぐまラスカル』の商品を販売したところ、ターゲット層の女性ファンの購買が想像以上に伸びたという。「株式会社レッグス」は今年、楽天と『ダイヤのA』のコラボイベントでグッズ作成を担当した。Koboパーク宮城でイベントが開催される7月2日に、球場外周でのグッズ販売を告知すると、予定時刻の朝8時にはグッズを求めるファンが既に長蛇の列を作っていたそうだ。
「株式会社トレミール」が展開するフェイスシールは、サッカー日本代表を応援する際などに用いられるフェイスペインティングと用途は同じだが、肌への粘着力が高く、剥がす際には水洗いする必要がない。そのため、手軽に装飾が楽しめる。’47 Brandでお馴染み「株式会社OSM International」のエリアスペースに所狭しと並べられたプロ野球や米4大スポーツ選手のボブルヘッドも会場内を彩った。「あまり似ていない」ことがポイントにもなるフィギュアだが、陳列されたものは、顔立ちや表情、プレーの動作までもが誰を模して作られたのかが一目瞭然の精巧さだ。制作の過程で集めた対象の選手の座標データを元に、レーザーを用いて形取りしているというのが納得の出来栄えだった。