頼みの守護神・DeNA山崎が防御率6点台の大ピンチ ラミレス監督が下す決断は?
同点シーンはスペシャリストの技のぶつかり合い、最後は増田大の好走塁が勝る
■巨人 5-3 DeNA(19日・横浜)
2年連続でセ・リーグ最多セーブのタイトルを獲得しているDeNAの山崎康晃投手が、守護神の座を剥奪されかねない大ピンチだ。19日に本拠地横浜スタジアムで行われた巨人戦で、1点リードの9回に登場したが、同点とされ、結局チームは逆転負けで5連敗。山崎自身、今季2敗目(0勝、6セーブ)を喫し、防御率は6.48の惨状だ。
「数字が物語っている。クローザーが試合を締めることができていない。コンディションも悪いままで、開幕時とあまり変わっていないのかなと思う」。アレックス・ラミレス監督は試合後のオンライン会見で、沈痛な表情でそう語った。さらに、配置転換の可能性についても「明日は試合がないので、じっくり考えたい」と否定しなかった。
横浜スタジアムでは今季3試合目の有観客。山崎が今季本拠地の観客の前で登板するのは初めてだった。昨季までなら、ファンは一体となって山崎の登場曲に合わせ飛び跳ねながら、大声で「ヤ・ス・ア・キ!」とコールする、通称ヤスアキジャンプを繰り出すところだが、あいにく新型コロナウイルスの感染を防ぐために当面禁じられている。観客数も入場制限で4977人に絞られていたが、それでも登場曲に合わせて手拍子で、精いっぱい念を送っていた。
山崎は先頭の中島を見送り三振に仕留めたまではよかったが、続く坂本に遊撃内野安打され、代走・増田大に二盗を許す。結局、2死二塁で丸に一、二塁間へ内野安打され、増田大の生還を許して同点。ここでラミレス監督はあっさり、山崎を降板させた。
代わってマウンドに上がった国吉が、続く岡本に勝ち越し2ランを浴び、逆転負けを喫したのだから、チームにとっては二重三重の衝撃だ。
この日の山崎は、許したヒット2本はいずれも内野安打で、球のキレは決して悪くないようにも見えた。とはいえ、同点の段階で降板を命じられた時点で、抑えとしての信頼度は大きく揺らいでいる。一方、代役候補のパットンも、セットアッパーとして防御率5.54と決して好調とはいえない。阪神に抜かれて4位に転落し正念場を迎えた指揮官は、いったいどんな決断を下すのだろうか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)