カーショー、田中、そして前田へ 黒田博樹と“1988年組”の不思議な縁
「ターニングポイント」の時期に黒田とチームメートだったカーショーと田中
8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹投手を慕う選手は多い。投手としての圧倒的な実績に加え、人格者としても知られる右腕は、多くの後輩に影響を与えてきた。特に、「ターニングポイント」となる時期にチームメートだった1988年生まれの2人の“スーパーエース”は、今でも黒田への感謝の気持ちを忘れていない。
黒田が広島からドジャースに移籍した2008年、ルーキーとしてメジャーに昇格してきたのが、今やメジャーNO.1投手となったクレイトン・カーショーだった。当時から超有望株で、ブレイクは約束されている選手だったが、本人は黒田と過ごした時間が大きかったことを認めている。
2人は、メジャーでは同じ「ルーキー」だったことで、キャッチボールでのパートナーを務めることになった。「年下ですけど尊敬できるピッチャーですし、人間的にも素晴らしい。彼のルーキーと僕の1年目が重なったので、すごく思い入れのある選手です」。黒田はカーショーについてこう話している。
一方で、カーショーもプロ野球選手として豊富な経験を誇る黒田を尊敬し、すぐにお互いを認め合う仲になった。
カーショーは、2011年に21勝5敗、防御率2.28の成績で初のサイ・ヤング賞を受賞。黒田のドジャース最終年で最高の栄誉を手にした。この時、ドジャースのネド・コレッティGMは「このサイ・ヤング賞には黒田から学んだものが詰まっている」と明かした。それだけ、最強左腕にとって日本人右腕の存在は大きかった。