BC埼玉武蔵の田澤純一が練習合流 球団社長が期待する球団の垣根を越える役割

チーム練習に合流したBC埼玉武蔵・田澤純一【写真:細野能功】
チーム練習に合流したBC埼玉武蔵・田澤純一【写真:細野能功】

埼玉・鴻巣市で行われた練習に合流した田澤純一

 レッズ傘下からルートインBCリーグ埼玉武蔵に入団した田澤純一投手が22日、鴻巣フラワースタジアムで行われた練習に合流した。「慣れるまで時間がかかると思うが、宜しくお願いします」とナインに挨拶し、キャッチボールなど、久しぶりとなるチーム練習に気持ちのいい汗を流した。

 渡米12年目を迎えた今季はレッズ傘下のマイナーでキャンプに参加したが、契約解除となった。新天地を求め、米国内に滞在したが、新型コロナウイルス感染拡大、マイナーリーグの今季開催中止が決まったことで4月上旬に帰国した。俗に言う「田澤ルール」のため、NPB球団に入団することはできず、独立リーグで新たな一歩を踏み出すことになった。

 メジャー通算388試合に登板して、21勝26敗4セーブ89ホールド、防御率4.12の元メジャーリーガーがBCリーグでプレーする意味は大きい。NPBから指名を受けるためにプレーしているBCリーガーには、自分たちにとって、何が必要か、何が足りないのかを、身をもって示してくれる、生きたお手本になってくれるだろう。

 埼玉武蔵の今井英雄球団社長兼代表は「練習から始まって、マウンドに向かうとき、トレーニングの仕方、登板当日の準備、そういう部分を選手には見てほしい。まだまだうちの選手は甘いところがある。超一流がそこまでやっているんだという姿を見せてくれという、オファーを出している。コロナがなければ、彼は来てくれなかった。(BCリーグ)12球団みんなにとっていいこと。きれいごとを言っているかもしれないが、それが本音です」と田澤効果に期待を込めた。

 埼玉武蔵の角監督も「世界の舞台で活躍した人と一緒に野球をやれる貴重な経験。そこに関しては誇りをもってほしい」と言いながら、一方で「ただ誇りをもつのと、勘違いするのは微妙なところ。足元を見てやらないと、今のところからステップアップができない」と釘を刺すのを忘れなかった。

 その人柄をあらわすように、田澤自身は「指導者ではないので、聞かれれば答えると思うが、アメリカでやっていただけで、別にそれが凄いこと、偉いわけではない。いち人間として、馴染んでいければと思う」と謙虚に語る。注目のBCリーグデビュー戦については「やはり本拠地で投げさせたい」と角監督が語っており、31日に行われる熊谷さくら球場での栃木戦が予定されている。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY