広島、5点差逆転許すも…日本一へ、緒方監督「CSに向けての戦いになる」
新戦力の台頭を期待する指揮官「若い選手のアピールの場でもある」
広島は21日、マツダスタジアムで行われた阪神戦に7-5で敗れ、リーグ優勝決定後の凱旋試合を勝利で飾ることができなかった。5点リードを守れず逆転負けも、主力選手を早い回に交代させるなど、ポストシーズンを見据えた選手起用での敗戦に、緒方監督は「これからは、勝ちにこだわったゲームはできない」と、残り試合の戦い方を示した。
試合後には、地元ファンのための優勝セレモニーが行われ、優勝ペナント授与式の後、グラウンドを一周する凱旋パレードを行った。緒方監督は「ファンの人たちも、試合後のセレモニーを楽しみにしていたと思うので、勝ちゲームにしたかったけどね」と逆転負けを悔やんだが、優勝決定直後の試合で、勝ちにこだわる采配ではなかった。
前日を含めて試合前に6人の選手を入れ替え、新井と安部を2打席で交代させ、1軍初登録となるルーキーの坂倉や、出場機会のほとんどなかった土生、投手では高卒3年目で1軍未登板の藤井などを登録した。緒方監督は「投手も野手もCSに向けての戦いになる。若い選手のアピールの場でもあるし、それぞれにいいものを出して欲しい」と、短期決戦に向けての新たな選手の台頭に期待した。
試合は初回に5点を先制したが、追加点が奪えず逆転負けを喫した。指揮官は「初回の攻撃は素晴らしかった。松山もバティスタも自分の持ち味を見せてくれた」と評価したが、「2回以降はチャンスらしいチャンスも作れなかった」と残念そうに話した。同点に追いつかれた場面は、途中出場のメヒアの失策によるもので、「短期決戦ではひとつのミスが命取りになる。いい意味でこれを生かしていきたい」と先を見据えた。
試合後の優勝セレモニーで、緒方監督は「今度こそ、日本一を勝ち取りたいと思います」と、力強くファンに宣言したが、ポストシーズンに向け、残り6試合の戦いが重要になりそうだ。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)