鷹・柳田悠岐はなぜ驚愕の内角打ち3ランを打てたか? 直前の打席にあった布石
山崎福也のカーブに空振り三振に倒れた第3打席「その打席があったから打てた」
■ソフトバンク 4-1 オリックス(14日・PayPayドーム)
14日に本拠地PayPayドームで行われたオリックス戦に4-1で競り勝ったソフトバンク。同点で迎えた8回2死一、二塁で勝負を決める一打を放ったのが、主砲の柳田悠岐外野手だった。
同点で迎えた8回1死一、二塁の絶好機。打席に入った柳田が驚弾を放った。2ボール2ストライクからの5球目。オリックス先発・山崎福が投じたのは内角、体に当たりそうな厳しいボールだった。これに対して柳田はバットを一閃。快音を残した打球は切れることなく右翼スタンド中段に飛び込んだ。
徹底した外角攻めの後に、一転して投じられた内角へのストレート。再び外角へのボールを予期していた柳田自身ですら「全く頭になかった」という内角へのボールだった。これを体の一瞬の反応で腕を畳んで弾き返し、本塁打にしてしまったのだか、驚くしかない。
ただ、この一発に至るキッカケが柳田にはあった。「打ったろうというのが出過ぎて力みにつながっていた。力を抜きました」。本塁打を放つ前の第3打席。柳田はオリックス先発の山崎福也の前に空振り三振に倒れた。フルカウントからの6球目、ナックルカーブにバットが空を斬った。
「力が入っていると感じた」。この打席で自身に力みがあることを感じたという柳田。その反省を生かして「とにかく力を抜いていこう」との意識で第4打席に入った。結果は狙いを完全に外されながら、内角のボール球を右翼スタンドへ。決して山崎福の投げミスではなかった。打った柳田を褒めるしかない、驚愕の一打だった。
「その打席があったので打てました」と試合後に振り返った柳田。直前の打席で感じた反省をすぐさま試合中に修正する。客観的な視点、この修正能力もまた、打率4割に迫ろうかという驚異のバッティングを支えているのだろう。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)