DeNA平良、先発ローテ定着へ次回登板は試金石に ラミレス監督「考えなくては」
防御率1点台と好調だったが4回途中6失点、ラミレス監督「暑くなってきたので疲れもあるのかも」
■ヤクルト 7-4 DeNA(16日・横浜)
DeNAは16日、横浜スタジアムで行われたヤクルト戦に4-7で敗れた。今季の登板8試合全てでクオリティースタートを記録し、防御率1点台と好調だった先発の平良が、4回途中6失点で3敗目を喫した。チームは前日にノーヒットノーランで完敗しており、ラミレス監督も「平良もモチベーションを高く持って試合に臨んでもらえると思う」と期待したが、4回途中まで100球を費やし、9安打3四死球で6失点と、指揮官の期待を裏切った。
ちょうど1週間前の9日、敵地でのヤクルト戦は7回無失点の好投で3勝目をマークしていた。「2週続けての対戦はたぶん初めてになるが、特にこちらから変えることはない」と、前日のリモート会見でコメントしていた平良だが、初回に1死から山田哲に7球粘られて四球を与えたことでペースを乱された。続く青木はカウント1-2と追い込んだが、真ん中高めに浮いたスライダーを打たれて左前打。さらに試合前まで今季の対戦打率が.375と打たれている村上にも真ん中に入ったスライダーを仕留められて先制点となる二塁打となった。
その裏、すぐに打線が1点を返して同点に追いついたが、3回には先頭の青木にシンカーをレフトスタンドに運ばれて勝ち越しを許した。今季、ここまで8試合で被本塁打はわずか1本で「ホームランを一番打たれたくないと考えて投げている」という右腕は「そのためにバッターが強振できるようなカウントにしないことを心がけている」とコメントしていた。しかし、青木には2球ボールが先行した後の3球目のシンカーを打たれた。
続く4回には、先頭の廣岡にフルカウントから二塁打を打たれ、その後は四球でピンチを広げ、2死まで取ったが、山田哲にまたもフルカウントまで持ち込まれた末に2点タイムリー二塁打を許し、そこから3連続タイムリーで降板となった。初回の失点の起点に、大量失点につながる一打と、今季ブレーク中の右腕を今季最短での降板に追い込んだのが、打率2割台前半と不振が続く山田哲だった。
試合後、平良は「的を外すピッチングができなかった。内外(うちそと)の駆け引きの中で、甘くなるところが多かった」と反省した。今季ワーストの投球は「低めに集めることと、左右にしっかり投げ分けること」と、好調の要因を自己分析した右腕の真逆をいくような内容だった。ラミレス監督は「残念ながら今日はベストな投球ができなかったが、誰にでも起こり得ることなので仕方ない」と右腕を責めることはなかったが、不安ものぞかせた。
今季7年目の平良だが、昨季の15試合登板が最多で、開幕から先発ローテの一角に入るのは初めての経験になる。「毎試合、100球前後を投げているし、天候も暑くなってきたので、疲れもあるのかもしれない」と心配した指揮官は「次も中6日でいくことは決めているが、その次はまた考えなくてはいけなくなるかもしれない」と、先発ローテを保証することはなかった。この日の6失点で防御率が2.57まで一気に下がったサイド右腕にとって、次回の登板が今後を占う試金石になりそうだ。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)