巨人に出現した新星 20歳の直江大輔に専門家が感じる「大きな伸びしろ」

巨人・直江大輔【写真:編集部】
巨人・直江大輔【写真:編集部】

1軍で戦力となるための課題を指摘「遅いカーブを投げられるようになれば」

■広島 2-1 巨人(23日・マツダスタジアム)

 巨人にまた1人楽しみな若手投手が出現した。プロ2年目の弱冠20歳、直江大輔投手が23日、敵地・マツダスタジアムで行われた広島戦でプロ初登板初先発。4回3安打5奪三振1四球で、鈴木の13号ソロによる1失点に抑えた。チームは1-2で競り負け、今季初の同一カード3連敗を喫したが、同じ2000年生まれで今季既に6勝を挙げている戸郷に続く本格派右腕が台頭してきた。

「直江には角度のあるストレート、落差の大きい変化球があり、大きな伸びしろを感じた。先発ローテに入れて使い続けてみたら、おもしろいのではないか」と語るのは、巨人で22年間スコアラーを務めた三井康浩氏。実際、この日の直江は1軍初登板とは思えない堂々とした投げっぷり。184センチの長身が躍動し、140キロ台のストレート、カーブ、スライダー、フォークを投げ込んだ。

 1点リードで迎えた4回には、1死から鈴木に真ん中高めに浮いた141キロ速球をバックスクリーン左の中堅席へ放り込まれ、続く堂林にも中前打を浴びたが、ピレラをカウント3-2から渾身の外角低め速球で見送り三振に。堂林の盗塁死と合わせて“三振ゲッツー”に仕留め、ピンチを切り抜けた。

 三井氏は「鈴木の1発にはビックリしたでしょうね。2軍には、あれほど手元まで引き付けて打つバッターはいないですから。1軍で使い続ければ、打たれる怖さを知りながら、相手打者との駆け引きを学んでいくでしょう」と好意的に語る。今後の技術的な課題として「カーブが120キロ台中盤で、打者はスライダーやフォークのタイミングで待っても対応できる。遅いカーブを投げられるようになれば、打者は140キロ台のストレート、スライダー&フォークと合わせて3つのタイミングを想定しなければならず、攻略が難しくなります」と指摘した。

 また、長野・松商学園高からドラフト3位で入団し2年目の直江をキャンプから投手コーチらと指導していたのは、昨季限りで現役を引退したばかりの阿部慎之助2軍監督だった。三井氏は「長年正捕手を張り、昨年まで1軍で戦っていた阿部監督なら、1軍で通用するボールかそうでないかが判断できる。彼の見る目は貴重な戦力です」とも。広島に3タテを食らったが、それでも2位・DeNAに4.5ゲーム差をつけて首位。順調な戦いぶりが、若手を抜擢する余裕を生み、さらなる戦力アップにつながる好循環となっている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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