西武ドラ4川野「もう一歩前で取れる」 イースタン無失策でも貫く“攻めの守備”
守備では攻めの守備、両打ちの打撃では初球打ちを心がけている
九州学院高校から2019年のドラフト4位で西武に入団した川野涼多内野手。打撃では随所で非凡な才能を見せつけているスイッチヒッターだが、光るのがここまで無失策という守備力。日頃の練習を見ていてもどこまでも貪欲で向上心あふれる川野も期待の若獅子の1人だ。
川野の理想は高い。数字を見れば失策0が光るが、来た打球は「もう一歩前で取れる」と感じることがあり、一歩目の足の出し方など現状に満足していない点がある。そして目指していくのは、自らの無失策記録を伸ばすことだけではない。飛びついてでも打球を取りに行く姿勢を持ち、投手を助ける“攻めの守備”を見せていくことだ。
練習では「確認の繰り返し」。とにかく数をこなして、確実性を上げる日々だ。一方、打撃面では、プロのストレートに苦戦をしている。マシンで速い球に慣れても、大事なのは打席での感覚。気持ちの入った“抑えに来る球”に振り遅れることが多いのが現状だ。
手が出ずに終わるのは納得できない。「僕は初球からどんどん振っていきます。投手は初球が一番甘くなることが多いと思うのでその初球を捉えられるようにしたい」と語る。その言葉のとおり、8月22日、CAR3219フィールドで行われた巨人戦では、8回に右打席で、2球目をライト前ヒット。さらに9回、今度は左打席で粘って9球目をセンター前にはじき返した。まだ1年目。これから壁は山ほどやってくるが、川野の頑張りは少しずつ試合の中で結果として出つつある。
「1年でも早く1軍に行けたらいいと思いますが、まずはプロの世界に慣れることが一番ですね。練習をしていればおのずと結果は出てくると思いますし、結果を出していれば1軍に呼ばれると思うので、その時は自信をもって行けるのかなと思います」
今、川野は1日1日を大事にしながらその日できることを一生懸命こなす。いつどこであっても引き締まった顔でいる青年は、CAR3219フィールドの暑い日差しに照らされながら逞しくなった気がした。
(記事協力・西武ライオンズ広報部)
(Full-Count編集部)