鷹ムーア、志願の続投で掴んだ来日初勝利 工藤監督が明かす舞台裏「本人がもう1人と」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

5回2死一、三塁で制限した球数に達したため工藤監督は交代させるつもりだった

■ソフトバンク 3-0 日本ハム(29日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは29日、本拠地での日本ハム戦に連勝し、チームとしての連勝を7に伸ばした。7月7日の練習中に左ふくらはぎを痛めて戦列を離れていたマット・ムーア投手が復帰登板で嬉しい来日初勝利を挙げた。

 故障明けの登板とあって、この日のムーアには90球という球数制限が設けられていた。3回に相手エラーで1点を先制すると、ムーアは4回まで無失点。勝ちの権利をかけた5回には2死一、三塁のピンチを背負い、球数は89球に達していた。

 工藤監督は「僕としてはあそこまででした。松本君の準備もできていたので、森山コーチに『ここで代わろう』と言ってもらったんですが、本人がもう1人投げたいというので(ベンチから)丸を作ってOKを出しました」と舞台裏を明かした。指揮官としては交代を告げるはずが、ムーア本人の志願もあって、続投を決めた。

 結果として西川を三振に打ち取り、ムーアは嬉しい来日初勝利。工藤監督は「本人なりに(故障で)大変な思いもあったと思いますが、何より本人が喜んでいるでしょうし、チームにも勝ちを呼び込んでくれました」とムーアの白星を喜ぶとともに「川瀬君のプレーや松本君の好投があってこそ」と、ムーアを助けた若い選手のことも賞賛した。

 故障明けのムーアの次回登板については「次もう1回くらいは(球数制限が)あると思います。登板のタイミングは他の先発投手との兼ね合いもあるので、コーチと話をしてから」と語るに止めた。

 また8回の2点を追加した攻撃について「栗原君の送りバントはサインではなく、彼自身の意志。サードの守備が下がっているなと思ってはいましたが、バントは一塁側でしたね」と笑いながら「栗原君が送ってくれたおかげで松田君の集中力が高まったと思います」と、前日2本塁打の5番打者のチームプレーに目を細めていた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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