イチロー残留も? ヤンキースのセカンド補強失敗の影響とは
インファンテの争奪戦に敗れたヤンキース
ロイヤルズはタイガースからFAとなっていたオマール・インファンテと4年総額3000万ドル(約31億円)で合意した。31歳の二塁手にはヤンキースも狙いを定めていたが、争奪戦に敗れた形だ。これがイチローの去就に影響を与える可能性がある。
米紙ニューヨーク・ポストによると、ヤンキースはマリナーズに電撃移籍したロビンソン・カノの後釜としてインファンテ獲得を目指していた。タイガースでは今季、自己最高のOPS.795を記録しており、獲得できれば、守備だけでなく打撃でも、大きく空いた穴を埋める存在として期待がかかっていた。
3年2400万ドル(約24億7000万円)を提示したヤンキースに対し、インファンテは4年4000万ドル(約41億2000万円)を要求。最終的に名門球団のオファーを蹴り、4年契約を提示したロイヤルズと合意した。
ヤンキースは来季の年俸総額を“贅沢税”の制限額となる1億8900万ドル(約194億6800万円)以内に抑える目標を捨てていない。先週にはレッズからブランドン・フィリップス二塁手と引き換えにブレット・ガードナー外野手を放出するというトレードのオファーを受けたが、これを拒否。年俸総額が上がってしまうことも理由の1つだった。
カノが移籍し、アレックス・ロドリゲスに薬物規定違反で正式処分が下っても、規定額以内に収めることは危険な状態となりつつある。ただ、オーナーのハル・スタインブレナー氏は、この数字が絶対的な目標ではないことも示唆している。
ブライアン・キャッシュマンGMは、他の補強ポイントとして三塁、先発投手、救援投手を挙げるが「開幕までには、まだたくさんの日がある」と焦りはない。ただ、米メディアの間では、これらの補強ポイントを埋めるために、いよいよガードナーをトレード要員にしなければ、いい選手を獲得できないのではないか、という報道も出始めている。
ここまで、ヤンキースは第4の外野手となってしまったガードナーの放出を頑なに拒否してきたが、状況は変わりつつある。そうなれば、トレード候補だったイチローには残留の芽が出てくる。もっとも、その場合は控えとしての役割が待っていることになるのだが……。巻き返しに燃える名門球団は、どんな手に出るのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count