岐路に立つ「松坂世代」 “最後の野手”渡辺直人の引退発表で残るは投手3人に
鷹・和田は先発陣支える活躍でここまで5勝、松坂は7月に手術受け復帰目指す
またひとり「松坂世代」がユニホームを脱ぐ。楽天は12日、渡辺直人内野手の今季限りでの現役引退を発表した。1980年度生まれの選手では、8月30日に阪神の藤川球児投手が引退を発表したばかりで、これで残るは3人に。平成の球史を彩ってきた世代が、大きな分岐点を迎えている。
渡辺直は2006年大学生・社会人ドラフト5巡目で楽天入り。横浜・DeNA、西武でもプレーした。プロ実働14年で通算1134試合出場し、853安打、打率.259、7本塁打、229打点、115盗塁を記録。今季は1軍打撃コーチを兼任し、ここまで選手としての出場はなかった。
今年「不惑」を迎える黄金世代。藤川に続き、渡辺が引退を発表したことで、残る同級生たちは西武の松坂大輔投手、ソフトバンクの和田毅投手、楽天の久保裕也投手の3人だけになった。和田は今季開幕から先発陣を支え、ここまで11試合に登板して5勝1敗、防御率2.83。衰えぬ姿を見せ、この世代を牽引している。
一方で、14年ぶりに古巣に復帰した松坂はキャンプから順調な調整を進めていたが、7月に「脊椎内視鏡頚椎手術(せきついないしきょうけいついしゅじゅつ)」を受け、長期離脱。復帰まで2?3か月要する予定となっている。
久保は今季開幕は2軍で迎え、7月29日に1軍昇格。翌30日のロッテ戦ではリリーフで今季初登板し初勝利を挙げ、8月2日のロッテ戦ではホールドもマークしていたが、同14日の西武戦では2/3イニングで4安打3失点。翌15日に抹消された。
ひとり、またひとりと選手としてのキャリアに終止符を打つ決断した寂しさの一方で、残る3選手は令和の世でどこまで世代の火を燃やし続けてくれるのか。その姿をファンは目に焼き付けるに違いない。
(Full-Count編集部)