女子ソフト上野由岐子が今季初勝利 6失点乱調から復活した20年目の“引き出し”

ビックカメラ高崎・上野由岐子【写真:上野明洸】
ビックカメラ高崎・上野由岐子【写真:上野明洸】

前回は4回6失点と乱調したが、立ち直りの気配を見せた

 ソフトボール日本女子リーグ1部が7日、各地で行われた。高崎市ソフトボール場で行われた第2試合、ビックカメラ高崎と太陽誘電の試合では、ビックカメラのエース上野由岐子投手が先発。6日の後半節開幕戦に先発するも4回7安打6失点で降板し負け投手となっていたが、この日は7回6安打3失点で今季初勝利を手にした。

 3点をもらって迎えた初回、2死から四球でランナーを出すと、続く原田のどか外野手に右翼への2ランを浴びあっさりと2点を失う。3回にも川村莉沙外野手にソロを浴び同点に追いつかれた。先取点の後に失点するという開幕戦と同じ展開にも、「打たれたことに対する不安はあんまりなかった。今日は手応えがあった」と冷静だった。「後半になるにつれて手応えも感じた」と3回以降は危なげない投球を見せた。3-3で迎えた7回に味方が1点を勝ち越し。最終回は3人で相手打線を退け、完投勝利を挙げた。

 前回登板では4回7安打6失点と不安の残る投球となっていた上野は、この日に向けて登板前の調整方法を変えた。「試合までの持って行き方、身体のコンディショニングですね。ピッチングの投げ込むタイミングだったり、休むタイミングを極端に変えてみた。やったことのないことをやっているわけじゃないですけど、これだけ選手長くやっているので」と今シーズンでプロ20年目を迎えた彼女には多くの引き出しがある。「また次の週は次の週で(いろんな調整方法を)試していきたい」と探求心はまだまだ尽きていない。

 上野の探求心と言えば開幕前日の会見で語った“新球”の存在だ。開幕戦では何球か試したというが「今日はあえて1球も使ってないです」と答えた。バッテリーを組んだ我妻は「今日はドロップ、横回転のボールで空振りをとれた」とこれまで使ってきた変化球に手ごたえを口にしていた。「状態は戻ってきている」と語っていた上野。これから調子を上げ、その“新球”を使いこなしていく日はそう遠くはない。

 ビックカメラの主軸を務め、日本代表候補でもある山本優内野手は6日の開幕戦後に「グラウンドに立っているだけでチームの刺激になる、(上野の)向上心にはみんな驚かされる」と語っていたように、上野は今季を更なる成長のシーズンにも位置付けている。「経験として積み重ねていける試合を。11試合しかないからこそ、無駄な11試合にしてはいけない。でもその中で、失敗してもいいからやりたいことをやりたい」とプロ20年目でも向上心を持って、腕を振っていく。

(Full-Count編集部)

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