技と読みを凝縮させた一打 鷹・長谷川勇「努力が少し実を結んだ」

ソフトバンク・長谷川勇也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・長谷川勇也【写真:藤浦一都】

日本シリーズ初戦で値千金の2ラン、「イメージ通り」

 職人の意地が込められた一振りだった。28日に行われたソフトバンクとDeNAによる日本シリーズ第1戦。パ・リーグ王者のソフトバンクに白星を運んできたのは、選手会長を務める長谷川勇也外野手のバットだった。

 1点を先制して迎えた2回。先頭の松田が左前安打で出塁したところで、長谷川勇は打席に立った。初球は真っ直ぐでボール。2球目はスライダーを見逃してストライク。3球目はフォーク、4球目はスライダーが連続で外れてボールとなり、3ボール1ストライクで5球目を迎えた。

 2013年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得している長谷川勇は頭の中でこう思い描いていた。

「ある程度右中間方向をイメージしながら。引っ掛けても、一、二塁間の深いところに持っていけるかな、という感じ。真っ直ぐでいって、変化球は低めだけ我慢しながら。スライダーかフォークでも真ん中くらいに来れば、引っ掛けてもライト前に持っていけるか、一二塁間の深い当たりを打てるか、という準備はしていた。真っ直ぐを待って、変化球はそっち側に引っ掛けるように対応していたので。実際にそれで変化球が来てそうなったかはわからないですけど、自分の中でのイメージはそうでした」

 井納が投じたのは、145キロの真っ直ぐ。若干、ボールは高かったが、バットコントロールでバットを被せ、押し込んだ。「イメージ通りですね。高いとかどうこうはなく、とにかく右中間に持って行こうというイメージ。打球方向は決めていたので、反応でなんとか被せたという感じだった」。

 思い通り。打球は右中間方向へ飛び、ホームランテラス席へと消えた。点差を3点に広げる2ランとなった。

苦しんだレギュラーシーズン、「1年間ちゃんと練習はやってきたつもり」

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