鷹日本一に王会長も大興奮「こんなに胸が熱くなったのは久しぶり」
ホークス王会長も選手の涙に「もらい泣き」
激戦に次ぐ激戦。球史に刻まれる熱戦続きとなった2017年の日本シリーズは、パ・リーグ王者のソフトバンクが4勝2敗でDeNAを下して日本一に輝き、決着の時を迎えた。
3勝2敗で迎えた第6戦は、ここまでの5戦に輪をかけた大接戦となった。ソフトバンクが1点を先制したが、DeNAが5回に3点を奪って逆転。だが、ソフトバンクは8回に1点を返すと、9回に4番内川がDeNAの守護神・山崎から起死回生の同点弾を放ち、延長戦へ。ソフトバンクは守護神のサファテが3イニングを投げる衝撃の継投を見せると、延長11回2死一、二塁から川島が右前へサヨナラ適時打。劇的な幕切れで、今年の日本一が決まった。
ドラマチックな決着には、選手として11回、コーチ、監督として3回、そして球団会長として4回目の日本一となったソフトバンクの王貞治球団会長も興奮を抑えきれなかった1人だった。試合後に「本当に嬉しいという気持ち、こんなに胸が熱くなったのは久しぶりですね。勝つのに苦労した。何度か日本一になったことはありますけど、あそこまで選手たちが喜んで、監督もあれだけ興奮したことはなかったね。選手が涙を流していて、もらい泣きしちゃいました」と長きに渡る王会長の野球人生にとっても、格別な日本一の瞬間だったという。
6試合に渡る大激戦となった日本シリーズ全体を「最初は向こうは日本シリーズに慣れていないところがあった。だけど、横浜に行ってからは、随所にDeNAの良い面が投打に出ていたね。手強い相手でしたよ。お互いに死闘と言っていいくらいの戦いだった。随所にDeNAの良さも出たし、こっちも出たし。最後のサファテの3イニングとか、内川のホームランとか、見ている人の心に残る試合だったと思います。ファンもやきもきしたんじゃないかと思いますけど、かえって思い出に残る、球史に残る戦いになった」と王会長は振り返った。
通算868本の本塁打を放ってきた王会長から見ても、9回1死から飛び出した内川の同点ソロは衝撃だったようで「日頃からそういう場面に備えて練習しているからこそ、そういうものが出る。それこそ練習は嘘をつかないということだね」と話し、勝利への道筋を作った4番の一振りを絶賛していた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)