開幕マイナー決定の川崎宗則、メジャー昇格の可能性は?
開幕マイナーで球団から川崎に支払われる「10万ドル」の意味
地元トロントのファンに愛されるブルージェイズ川崎宗則が、マイナーで開幕を迎えることになった。今季で3年目を迎えるブルージェイズとマイナー契約を交わし、メジャーキャンプに招待選手として参加。イズトゥリス、サンティアゴらの内野手の怪我が続いたこともあり、開幕メジャーの可能性もあったが、シーズン中の昇格を目指すことになる。
日本ではあまり報道されていなかったかもしれないが、今回マイナーで開幕を迎えるにあたり、川崎には10万ドル(約1200万円)のボーナスが支払われている。選手のフリーエージェント権を保証する「Article XX(B)フリーエージェント」と呼ばれるグループに属しているためだ。
「Article XX(B)フリーエージェント」を簡単に説明しておこう。
前年度のワールドシリーズ終了時点でメジャー40人枠に入っていたことを条件に、このグループに属する選手は2つのタイプに分けられる。1つ目は、メジャー登録期間が6年を越え、前年度終了後にいわゆるFAとなる選手。もう1つは、他国リーグの1軍レベルで5年以上の経験を持ち、23歳を越えてからメジャーチームと契約を結んだ選手だ。
球団はこの「Article XX(B)フリーエージェント」に属する選手がマイナー契約を結んだ場合、開幕5日前までに、メジャー25人枠(もしくはメジャーの故障者リスト)に加える保証をするか、10万ドルのボーナスを支払ってマイナーに送る選択をしなければならない。さもなければ、当該選手は自由契約になることを選択し、他球団に新たな活路を見出すことができる。
平たく言えば、ベテラン選手がマイナーリーグで飼い殺しにされるのを防ぐため、メジャーリーグ機構と選手会との間で結ばれた労使協定で選手の球団選択の自由を保障しているというわけだ。