驚き呼んだ鷹・川島のプロ初4番起用 平石コーチの“大胆策”にあった裏付け
日ハム先発・上原との相性の良さ「嫌がっているというのがあった」
■ソフトバンク 7-5 日本ハム(2日・PayPayドーム)
ソフトバンクは2日、本拠地PayPayドームで行われた日本ハム戦に7-5で競り勝ち、2連勝を飾った。この日のヒーローはプロ15年目で初の4番に座った川島慶三内野手。初回、いきなり回ってきたチャンスで先制の適時打を放つなど2安打と活躍。チームの白星にきっちりと貢献した。
初回、先頭の周東が左前打で出塁。2死二塁で川島に打席が回った。日本ハム先発の上原から三遊間を破ると、俊足の周東が一気に生還して先制点を奪った。3回に柳田の適時打で1点を追加すると、川島が四球で繋ぎ、中村晃の犠飛でもう1点。逆転されて迎えた4回には松田宣が21試合ぶりの一発となる逆転の8号2ランを放ち、柳田、中村晃の適時打で4点を奪ってリードを一気に広げた。
見ているものを、そして川島自身でさえも驚かせた川島の突然の4番起用。工藤公康監督は試合後に「打撃コーチの意向もありました。面白いな、と。チャンスメークで行ってもらうのがいいか、決めてもらうのがいいか、と。私の中では5番か6番と考えていたんですが、平石コーチの方から4番でどうですか、と」と、その舞台裏を明かした。
ただ、もちろんその裏付けはあった。9月17日の日本ハム戦で対戦した際に川島は上原から2打数1安打を放つなど、今季の対戦成績は4打数2安打2四球を記録していた。工藤監督は「今日の上原投手相手に札幌でやったときに(上原が川島を)嫌がっているというのがあった。いつもは1番でチャンスメークのところなんですけど、タイムリーを打ってくれることを期待して4番にさせてもらいました」とその相性の良さを買った。
さらに工藤監督は「ここ最近、初回に点が取れていなかった。チャンスはあるんですけど、1本が無かったので。初回から攻略できるならしたいというのがあった」と語る。初回のチャンスで繋がり切らない打線の打開策として、普段は左投手の時に主に1番で起用する川島を思い切ってポイントゲッターにするという“平石案”に同意したのだ。
その狙い通りに初回のチャンスで川島が先制の適時打を放ち、先手を奪った。2回以降もなかなか繋がらなかった打線が線となり、得点を重ねた。「初回からああやってタイムリーを打ってくれて期待通りというか、期待以上の働きをしてくれました。前後の打者を誰にするかというところで、柳田くんが前にいた方がチャンスで回るかなと。平石コーチの思惑通りですね。彼がアドバイスをくれたので、そういう手もあるんだなと思いました」と工藤監督は語っていた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)