西武、連夜のサヨナラ勝ちであるぞ逆転CS 辻監督「昨年を思い出させる展開」
最大借金8から82日ぶりの勝率5割に
■西武 2-1 ロッテ(21日・メットライフ)
西武は21日、本拠地メットライフドームで、ロッテに2夜連続のサヨナラ勝ち。1-1の同点で迎えた9回、前夜に相手のサヨナラエラー(落球)を誘う飛球を打ち上げた山野辺翔内野手が、今度は会心の右前サヨナラ適時打を放った。決めたのが2夜連続で山野辺なら、スコアも同じ2-1。西武は最大8まで膨らんでいた“借金”を完済し、7月31日以来82日ぶりに勝率を5割とし、クライマックスシリーズ(CS)進出圏の2位ロッテとの差を4ゲームに縮めた。
「なんか昨年を思い出させるような展開になってきた。しびれるような試合だったが、勝ててよかった」
辻発彦監督は試合後、現在のチーム状況を、首位との最大8.5ゲーム差をひっくり返してリーグ連覇を果たした昨年になぞらえた。風前の灯火だったCS進出が、残り17試合でにわかに現実味を帯びてきた。
もはや神がかりだ。9回2死一、二塁で山野辺がロッテの守護神・益田の外角高めの149キロ速球をたたくと、打球は一、二塁間を抜け、二塁走者の外崎がサヨナラのホームにヘッドスライディング。判定はセーフ。ロッテ側がリクエストしたが、リプレー検証の結果、判定は覆らず、西武ナインは改めて、身長198センチのメヒアが170センチの山野辺をかつぎ上げて歓喜を爆発させた。
プロ2年目・26歳の山野辺は今季、代走での出場が主で、スタメンはこの日で3試合連続だが、わずか11試合目。サヨナラの場面で、ベンチには2年連続本塁打王の山川、助っ人のスバンジェンバーグも控えていたが、辻監督は「代打は1ミリも考えなかった。どんな形でになっても、山野辺に任せるつもりだった」とラッキーボーイに賭けた。「今日は正真正銘のヒーローですね」と称えた。
2日続けてお立ち台に立った山野辺は「昨日は受け身の感じで打席に入ってしまったので、今日は積極的に自分が決めようと思っていた。昨日のお立ち台とは感情が違う」と興奮。ロッテ側のリクエストにも、「外崎さんは足が速いし、『セーフだ』と言っていたので、自信を持って待っていました」と笑った。
「(CS進出を)まだまだ諦めていない。この調子で頑張りたい」と辻監督。22日の対戦でもロッテに勝ち、3タテで3ゲーム差となれば、いよいよミラクルの予感が高まる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)