日米2000安打達成のDeNAロペス 退任の指揮官が語る“他の外国人”との違い
特注スパイクで出場「すごく嬉しくて、感情があらわになってしまった」
■広島 2-1 DeNA(24日・横浜)
DeNAは24日、横浜スタジアムで行われた広島戦に1-2で惜敗。広島先発の森下から1点しか奪えず、完投を許した。打線は4安打に封じられたなかで、ホセ・ロペス内野手が日米通算2000安打を達成した。
1999安打で迎えた前日23日は無安打。この日は初回の第1打席であっさりと記録達成となった。試合前まで今季の対戦打率が.444と相性のいい森下から6球目の151キロの直球を左翼線へライナーで打ち返した。一塁上で記念のパネルを受け取ったロペスは、笑顔でスタンドのファンに歓声に応えた。試合後のリモート会見では「すごく嬉しくて、感情があらわになってしまった。昨日は力んでヒットが出なかったので、第1打席で出てよかった」と上機嫌だった。
前日の試合から特注のスパイクで試合に臨んだ。「色も文字もこの日のために特別に作ってもらった」と明かした助っ人は「ここでの6年間、ファンの人たちの声援があったので達成できた記録。そのファンの皆さんの前で打つことができて嬉しい」と、ホームスタジアムでの達成を喜んだ。
MLBでの9年間で1005安打、日本では巨人での2年間を含めた8年間で995安打をマークした。記録達成の瞬間、ベンチで両手を上げてガッツポーズを見せたラミレス監督も、同じベネズエラ出身のロペスを祝福する。「メジャーで1000本以上ヒットを放ち、日本でもトータルで素晴らしい仕事をしている」と絶賛した指揮官は「ほとんどの外国人選手が1年でアメリカに帰るプランを持って来日するが、彼は最初からここで成功したいという強い気持ちを持っていた。文化の面でもそうだし、食べ物なども積極的に日本に溶け込もうとしていたところも素晴らしいと思う」と異国で成功した理由を説明した。
シーズンは残り12試合となったが、ロペス本人が「次の目標」と明言した日米両国での通算1000安打達成も目前に迫っている。指揮官が「彼しか成し遂げていない記録になる」と言うように、外国人選手では史上初の記録で、日本人でもイチローと松井秀喜しか達成していない大記録になる。
ラミレス監督は「自分もそうだったが、彼も将来はコーチや監督などで、日本の野球に貢献したいと考えているのではないかと思う」と期待。奇しくもこの日は、5年間の監督生活に終止符を打つ会見を行った。ただ、ロペス本人は「2位という目標がまだあるし、今シーズンを最後までしっかり戦っていきたい。その後の将来のことはまだ考えていない」ときっぱり。大きな節目を迎えた助っ人は、まだまだチームのためにバットを振っていく。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)