指名漏れの田澤純一は会見せず BC埼玉武蔵監督「残念のひと言。彼の大きな分岐点」

BC埼玉武蔵・田澤純一【写真:細野能功】
BC埼玉武蔵・田澤純一【写真:細野能功】

実績十分も来年35歳迎える右腕…今季日本復帰も支配下、育成通じて指名なし

 ルートインBCリーグ・埼玉武蔵ヒートベアーズの田澤純一投手が26日、2020年度の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、12球団から指名されなかった。「田澤ルール」の撤廃によってNPBへの扉は開かれたが、各球団が回避した形となった。

 ドラフト会議後、田澤は会見を行わず、埼玉武蔵の角晃多監督が代わって対応。「いいも悪いもはっきり出るだろうと思っていたので。我々にとっては良い方向ではなかった。残念の一言。彼の今後の野球人生では大きな分岐点になると思っている」と語った。

 田澤は新日本石油ENEOS(現ENEOS)に所属していた2008年にNPBのドラフト指名を拒否してメジャー挑戦を表明。レッドソックスと6年契約を結んだ。それを受け日本球界では、アマチュア選手がNPB球団を経ずに海外のプロ球団と契約した場合、一定期間(高校生は2年間、大学生・社会人は3年間)はNPBの球団と契約できないといういわゆる「田澤ルール」ができた。

 2013年には、セットアッパーとしてレッドソックスの世界一に貢献した田澤。17年からはマーリンズなどを渡り歩き、渡米12年目を迎えた今季はレッズ傘下マイナー選手として契約したものの、3月に契約解除に。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて帰国し、7月にBC埼玉武蔵と契約して日本復帰を果たした。

 その2か月後の9月にNPBと12球団による実行委員会で「田澤ルール」の撤廃が正式に決定。今年のドラフト会議で指名することが可能となり、各球団の動向に注目が集まる中、田澤は「指名されたらいろいろな人と相談しながら決めたいと思います」と話していた。実績十分ながら、来季35歳を迎える田澤。指名リストに入れていた球団もあったが、二の足を踏んだ。その後、育成ドラフトも行われたが、最後まで名前を呼ばれることはなく、無念の結果となった。

(Full-Count編集部)

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