巨人連覇の4番・岡本が衝撃の片手弾 専門家が解説する「三冠打法」の極意
松井秀喜氏も信頼した三井康浩氏が解説、かつての主砲のようになるには……
■巨人 3-3 ヤクルト(30日・東京ドーム)
2年連続のリーグ優勝に導いた巨人の4番・岡本和真内野手。若き主砲は30日のヤクルト戦でも、勝利にこそ直結しなかったものの貴重かつ驚きのアーチを放ち、チームに貢献した。1点を追う3回2死二塁。カウント2-2から、ヤクルトの先発・歳内の内角球を左手一本で捉え、軽く振り払うようなスイングで左翼席へ運ぶ28号逆転2ラン。巨人で20年以上スコアラーを務めた三井康浩氏は、岡本の打席の狙いを解説した。
東京ドームのスタンドはどよめきに包まれた。正真正銘、片手一本で打球を運んだのだ。三井氏は「岡本選手は変化球をマークしていたと思います。追い込まれていて内角にストレート。体の近くにボールが来たから、最後は払った。ちょうど、リストターンをする感じで、バットが入っていますね」と説明した。
よく変化球に体勢を崩された打者が腕一本だけ残して、ボールを捉えるシーンがあるが、岡本のこの本塁打も同様。「バットを返すことでボールを飛ばした感じですね。押し込むというよりは、返す感じ。バットを返すときにボールは飛んでいく」と見事な反応を示して運んだ一発だった。
岡本は28本塁打、86打点とし、2冠へむけて邁進中。巨人の4番として、着実に成長を遂げている。
「1軍で試合を重ねることで、トップレベルのキレに慣れてきた。この3年間、打率に大きな違いはないが、明らかにボールを見て打てている。変化球をマークしてストレートが来たら手が出なかった昨年までと近い、今年は反応出来る様になっている」
もしも、岡本が三冠王を取るならば……。三井氏が例として名前をあげたのは、かつてともにシーズンを戦った主砲。巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜氏の姿と重ねていた。
「松井くんが極めた、ボールとの距離を取るスイング。詰まると思ったら、頭を捕手寄りにバックさせ距離をとる方法。このスイングさえ出来れば、自分のヒッティングゾーンは確実に広がる。もちろんミート率も上がるから、本塁打も量産できる。三冠も視野に入れたバッティングが可能になる」
この日のホームランもその距離がしっかりととれていた。リーグVも成し遂げて、技術力も高くなった岡本の打撃にこれからも注目だ。
(Full-Count編集部)