2位ロッテはパ・リーグ唯一の個人タイトル“無冠“… それでもCS進出導いたチームの強み
3年ぶりリーグ優勝のソフトバンクは実に7冠…対照的な結果に
パ・リーグは9日、レギュラーシーズン全日程を終了し、個人タイトルが確定した。3年ぶりのリーグ優勝を飾ったソフトバンクは投打12部門中7部門で名を連ねた一方、ロッテは6球団で唯一受賞者なしに。14日からクライマックスシリーズ(CS)を戦う両チームは、対照的な結果となった。
ソフトバンクからは、千賀滉大が最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠。さらに、石川柊太が最終戦となった西武戦で4回から3イニングを投げて勝ち投手となり、千賀と楽天・涌井とともに最多勝に滑り込んだ。さらに勝率一位も獲得して2冠に輝いた。柳田悠岐は自身初の最多安打で、周東佑京は最多盗塁。リバン・モイネロは最優秀中継ぎと大躍進だった。
5位の日本ハムは中田翔が自身3度目の打点王で、近藤健介は2年連続の最高出塁率を獲得。最下位のオリックスは、吉田正尚が首位打者に輝き、山本由伸が千賀と最多奪三振のタイトルを分け合った。CSにあと一歩届かなかった西武は、増田達至が自身初の最多セーブを獲得。4位の楽天は、浅村栄斗が本塁打王になった。
そんな中で、最終盤でCS進出を決めたロッテは“無冠”に。打率では上位10人に入った選手はおらず、打率.249の中村奨吾がリーグ18位でチーム最高位。本塁打では、レオネス・マーティンが25本塁打でリーグ4位だった。打点は井上晴哉の67がチーム最高でリーグ7位タイ。和田康士朗は23盗塁でリーグ3位だったが、盗塁王の周東には倍以上の差をつけられた。
投手では美馬学が10勝挙げ、最多勝にあと1勝届かず。勝率.714もリーグ3位と及ばず、防御率3.95はリーグ6位、88奪三振はリーグ13位だった。フランク・ハーマンが26ホールドポイントでリーグ4位、守護神の益田直也が31セーブで、タイトルまで2セーブ足りなかった。
ロッテは8月に単独首位に立つなど躍進を続けてきたが、シーズン終盤にかけて新型コロナウイルス感染者が出て大量入れ替えをする事態に。苦境に立たされる中、藤原恭大ら期待の若手が頭角を現し、主力離脱の穴を埋めた。さらに巨人からトレードで移籍してきた澤村拓一や、元メジャーリーガーのチェン・ウェインを獲得するなどチーム状況を見極めて補強。個人タイトル獲得者がいないのは、チームの総力で戦ってきた裏返しでもあった。
(Full-Count編集部)