ホークスが4年連続日本シリーズ進出 流れを引き寄せた影のヒーローたちは?

4回に本塁打を放ったソフトバンク・松田宣浩【写真:荒川祐史】
4回に本塁打を放ったソフトバンク・松田宣浩【写真:荒川祐史】

川島が好守で防いだ1点が試合の流れも変えた

■ソフトバンク 6-4 ロッテ(CS・15日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは15日、本拠地で行われたロッテとの「パーソル クライマックスシリーズ パ」第2戦を6-4で勝利し4年連続での日本シリーズ進出を決めた。この日のヒーローは2打席連続の2ランを放った中村晃に間違いないが、攻守それぞれに“影のヒーロー”がいた。

 まずは2回の川島の守りだ。東浜が2死走者なしからロッテ藤原にヒットと盗塁を許すと、3番清田の打球は東浜の足元を抜けてセンター方向へ。これを川島が横っ飛びで食い止め、二塁走者の生還を許さなかった。川島が防いだ1点が、その裏の中村の2ランの価値をより大きいものにしてくれたと言えるだろう。

 チェン・ウェインの降板後、川島は5回の守備からベンチに退いたが、初回にはチーム初ヒットとなる二塁打を放つなど左腕キラーとしての力も発揮した。

 そして打の方では松田宣とデスパイネ、そして周東だ。松田は4回、中村の逆転2ランの直後に、2者連続となる1号ソロ。たった1球でリードを2点に広げる価値ある一発でチェン・ウェインをマウンドから引きずり下ろした。この2点のリードが東浜をはじめとする投手陣に勇気を与えることになった。

 また、デスパイネは猛打賞を記録。第1打席のレフト前ヒット、第2打席のセンターへの二塁打でスタンドが盛り上がった中、中村が2打席連続の2ランを放ち、シリーズMVP獲得をアシストした形だ。6回の第3打席では三遊間へのゴロで全力疾走。自らの脚で内野安打を稼いで見せた。

 周東は3回に今シリーズ初ヒットとなる左翼への二塁打。1点差に迫られた7回には、甲斐を一塁に置いて右中間を破るタイムリースリーベース。再びリードを2点に広げる値千金の一打となった。

 初戦で見せた牧原とグラシアルの“隙あらば”の好走塁といい、短期決戦での1点の重みを知り尽くしたソフトバンクが、4年連続日本一に向けた戦いに駒を進めた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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