「何としても抑えるべき場面で…」初戦に見た鷹・千賀の流れを読む投球術とは?
元ロッテ、巨人、米大リーグでも活躍した小林雅英氏が第1戦を振り返る
「SMBC日本シリーズ」はソフトバンクが巨人に2連勝。日本シリーズ10連勝で力を見せつけた。ロッテ、巨人でも活躍した小林雅英氏は第1戦に先発したソフトバンク・千賀の流れを読みとった見逃せない投球術があったと振り返った。
2点リードの4回2死二塁。ソフトバンクはデスパイネが巨人先発・菅野から左前安打を放った。二塁走者の栗原が一気に本塁を狙ったが、ウィーラーからの本塁返球でタッチアウトになった。
流れが変わるようなプレーだった。小林氏はこの試合、4回裏に入るタイミングで一つの勝負のポイントを見ていた。
「千賀はこの回、なんとしても抑えないといけないと思って投げていたと思います。野球には流れがある。走塁死の後だったので、このイニングはゼロにというのがあったと思う」
千賀は4回。坂本、岡本に四球を与えてしまい、ピンチを背負ったが、無死一、二塁で丸を遊撃併殺に仕留めるなど、無失点で切り抜けた。
走者を背負っても、千賀は慌てていなかったように見えた。
「粘れていたのは、坂本、岡本、丸の1打席目での対戦だったと思います。優位な印象を与えられていたので2打席目につながったのではないかと思います」
特に丸に対しては、前の打席で、インコースをズバッと決めたストレートで見逃し三振を奪っていた。場面は2回1死。千賀のこの日最速、159キロのストレートに手が出なかったのだ。その衝撃の一球の残像があり、直球への意識が高まっていた。丸にしてみると、待っていたストレートに思わず手を出し、ダブルプレーになってしまった、といったところだろう。
千賀がクリーンアップに打たれたヒットは坂本の6回1死からの中前安打。点差は4に広がっていた。「ここでのヒットはダメージは少ないです。極端な話、本塁打でも痛くない場面ですから」。相手打者を3打席トータルで見ながらのピッチングだった。日本シリーズでも格の違いを見せつけた。
(Full-Count編集部)