楽天涌井、史上初の3球団最多勝で増額 チーム4位には「後半不合格。後味は悪い」
不振の昨季から今季は11勝4敗で防御率3.60で復活
史上初めて3球団で最多勝に輝いた楽天・涌井秀章投手が7日、仙台市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、サインした。来季年俸については「上げてはもらいました」。1年前の昨年オフには、ロッテから金銭トレードで移籍し、7500万円減の今季年俸1億2500万円で更改していた(金額は推定)。
昨季はロッテで3勝7敗、防御率4.50の不振だったが、移籍先で開幕8連勝をはじめ、ソフトバンクの千賀、石川と並ぶ11勝(4敗)を挙げ、防御率3.60と復活。西武時代の2007、09年、ロッテ時代の15年に続く4度目の最多勝を獲得した。「正直言って、ある程度やれる自信はあったが、タイトルを取れるとは思っていなかった」と明かした。
一方で、チームが4位に終わったこともあって、「トータルで言うと、勝負の9、10、11月チームを勝たせることできなかった。前半合格、後半不合格。後味は悪い」と自己採点。移籍2年目となる来季については、「今年は自分が成績を残すことしか考えていなかったが、チームのことも見えてきたので、若手へもっといいアドバイスできたらいい。自分8割、ひと2割でやっていきたい」と語った。
来季から現場の指揮も執ることになった石井一久GM兼監督は、西武時代の同僚で親交が深い。「(監督就任後は)まだ会ってないが、長いイニング投げることと、ゲームをつくることを求められていると思うので、しっかりやっていきたい」と意欲を見せ、「(石井監督は)ずっと近い存在としてやらせてもらってきた。ある程度自分のことわかってもらえていると思うし、自分も少なからず(石井監督の事を)他の選手よりわかっている。たとえば、『多分、監督はこう思っているよ』と、他の選手へ伝えられればと思っています」とうなずいた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)