田中争奪戦の行方は9球団に絞られた?
本命はヤンキースではなくドジャース?
【4位・フィリーズ】
チーム状況はヤンキースに酷似する。チームの主力はベテランが多く、実力も低下傾向にある。新たなスター選手獲得と勝利を求めるファンを満足させなければいけない。内野手の陣容には物足りなさも残るが、クリフ・リー、コール・ハメルに田中を加えた先発ローテーションが完成するなら、これまでの補強における失敗を挽回し、ファンを再び熱狂させることができるかもしれない。
【3位・レッドソックス】
ワールドシリーズチャンピオンのストーブリーグでの動きは今のところ慎重だ。ジャコビー・エルスベリー、ジャロッド・サルタラマッキアはFAでチームを去ったが、一方で大きな補強と言えばスティーブン・ドリュー遊撃手の再契約くらい。さらに15年度の総年俸はわずか6260万ドル(約62億6000万円)で、来年のオフシーズンに必要な大きな出費と言えば、ジョン・レスター投手の再契約程度。田中獲得資金は十分にある。
【2位・エンゼルス】
過去2シーズンにアルバート・プホルス一塁手、ジョシュ・ハミルトン外野手という大補強に巨額な資金を投じたエンゼルスが移籍市場で更なる資本投下できるかどうかに田中獲得の本気度が試される。前述の2人が思うような成績を残せない中、オーナーのアーティ・モレノ氏も更なる大出費をためらう可能性もある。ただ、エンゼルスは4年連続でプレーオフ進出を逃し、入場者数も減少傾向にある。同じ本拠地のドジャースとの勢力争いで水をあけられた格好のチームには田中のような一流の先発投手が必要だろう。
【1位・ドジャース】
まずは獲得資金が底なしであることから、田中獲得に関してはドジャースが最有力だろう。しかし、メジャー強化担当の中にはストーブリーグに投入できる強化費の限度も見えてきたと証言する人間もいるという。ドジャースには今後4シーズンに渡り、年俸2100万ドル(約21億円)を超える選手がすでにカール・クロフォード外野手ら4人もいる。15年シーズンに関しては、すでに贅沢税支払いのリミットに迫る1億3640万ドル(136億4000万円)の強化費となっているなどの懸念材料もある。しかし、ドジャースは豊富な資金力以外にも、世界的なブランド力強化に向け、近年国際色豊かな補強を進めており、チームの補強方針とも田中は合致。田中の代理人を務めるケイシー・クロース氏はドジャースのクレイトン・カーショウ投手、ザック・グレインキーとも契約を結び、パイプも太い。
ヤンキース至上主義のニューヨーカーの目線からも、やはりドジャースが本命か。田中争奪戦はヤンキースとドジャースを中心に展開してくことになりそうだ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count