田中争奪戦の行方は9球団に絞られた?

ヤンキースの対抗馬となる球団

 新ポスティング制度によるメジャー挑戦が決まった楽天の田中将大投手(25)は米国内でも連日、大きなニュースとなっているが、このほど、ニューヨークポスト紙が田中の有力な移籍先についての特集を組み、話題を呼んでいる。

 同紙によると、ヤンキースは来季の先発投手のローテーションの中核として獲得に熱心だが、今季プレーオフ出場を逃した名門復活の鍵を握るエース争奪戦の主なライバル球団を紹介。新たなポスティングシステムで入札額の上限が田中のマーケットでの評価額よりもかなり割安な2000万ドル(約20億円)に設定されたため、資金力やチーム力はさほどでもないが先発の柱を探している球団(オリオールズ、ロイヤルズ、アストロズなど)が競合すること、また、ジャイアンツの緊急参戦する可能性も指摘しながら、現状で移籍先に有力視されるヤンキースに対抗する有力8球団を挙げた。

【8位・マリナーズ】

 田中獲得に乗り出すならば、ヤンキースからFAになっていたロビンソン・カノ二塁手を2億4000ドル(約240億円)という法外な契約金で獲得したマリナーズがどこまで来季に向けた補強に本気なのかというメッセージになる。カノを獲得してもまだプレーオフ進出には届かないだろう。一流の先発ピッチャーの補強が必要となっている。イチローなど日本人選手が成功してきた歴史を持っている。

【7位・ダイヤモンドバックス】

 メジャー業界内では田中獲りに熱心ではないと見られている。マーク・トランボ内野手などを補強した球団は投手陣の補強に向け、レイズの大エース、デビッド・プライス投手の獲得に動いているとも見られているが、フロントはトレードに必要な有望な選手は放出しないとも表明。となるとすれば、金銭面の負担のみで獲得できる田中を獲得し、アーチー・ブラッドリー、パトリック・コービンとともに先発ローテーションを形成するのもありだ。

【6位・カブス】

 カブスほど将来有望な選手を抱えている球団は少ないが、残念ながら投手陣が手薄だ。フロントは16年シーズンまでは本格的な優勝争いを展開する準備期間とし、大型補強には積極的ではないが、25歳と年齢的にも若い田中のケースは別の話。メジャー業界ではかなり真剣度の高い入札額を出すのではと予想されている。

【5位・レンジャーズ】

 ポスティング制度でダルビッシュ有投手獲得という成功例を持つレンジャーズは「田中愛」という姿勢を打ち出している。すでに2人の大物を獲得。トレードでタイガースからプリンス・フィルダー一塁手、レッズからFAになっていた秋信守外野手がそれぞれ加入する。そのため、他球団の強化担当はジョン・ダニエルズGMがこれ以上の大型長期契約に難色を示しているというが、近年のレンジャーズは2010年のワールドシリーズでの敗北を皮切りに、毎年シーズン終盤で力尽きている事情もある。アメリカンフットボールが大好きな土地柄で、人々の注目を集める必要も。田中獲得に本気になれば、資金力抜群なオーナーと潤沢なテレビ放映権により補強費は問題なしのチームだけに争奪戦を勝ち切るだけの力はある。

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