元チームメートが語る「タナカ像」 マー君の成功は間違いなし!?
投球過多については不安も
最も心配されるメジャー球への対応についても、ラズナーは問題ないと見ている。実は以前から準備を進めていたというのだ。そして、ヤンキースの3Aでは井川慶ともチームメートだったことから、同じような“失敗”も起こらないと見ている。
「確かにボールは違うね。メジャーのボールの方が滑るし、少し大きい。でも、田中はメジャーリーグのボールでキャッチボールをしているし、ブルペンでもメジャーリーグの球で投げている。個人的には、大きな問題にはならないと思う。あと、ケイとの違いについては、ケイは軟投派の左腕で、田中はパワーピッチャーにもなれる。ケイについては、グラウンド外の彼は知らなかったけど、田中のことは知っているし、彼の闘争心も知っている。闘争心だけを見ても、僕は田中が活躍すると信じている。それに彼の野球に対する心構えはとても大きな要素だ」
最後に、ラズナーは米国でしきりに指摘されている田中の“投球過多”についても触れている。メジャーで野球をやってきた人間として、ここだけは不安なようだ。
「そのことは僕も心配していた。いつも彼に『投げる量を減らせ』と言っていたんだ。でも、日本の人たちはそうは考えない。特に田中は投げたくて、投げたくてしょうがない。彼からボールを取り上げるのは本当に大変なんだ。でも、それは過去のこと。彼はアメリカで、より計画的に投球することになるからね」
ラズナーが語る「タナカ像」は、極めて正確で、的を射ていると言えるだろう。“田中のことを最もよく知る米国人”として、メジャーでの成功に太鼓判を押した。米国の人たちの期待も、これでさらに高まっていくはずだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count