ヤンキースの空き番号から、マー君の“新背番号”を占う
黒田と田中の背番号に対するこだわり
日本ではエース番号として認識され、田中も楽天で付けていた18番は、日本人投手の先輩の黒田が背負う。黒田はドジャース時代からこの番号を付けており、米国に渡ってからシーズン中のブルペン投球では、必ず18を2倍にした36球を投げる。これ以上も、これ以下も絶対に投げないという、こだわりを持っている数字だ。そもそも、先輩の黒田が譲るといっても、田中が固辞するだろう。少なくとも今季は付ける可能性はゼロと言っていい。
また、2008年北京五輪、2009年第2回WBCで日本代表に選出されたときに付けていた15番は、サーマン・マンソンの永久欠番となっている。強いリーダーシップを誇り、名門球団ではルー・ゲーリッグ以来の主将も務めた強打の捕手は、1979年のシーズン中の8月2日に飛行機事故で死亡した悲劇の人物。ヤンキースにとっては特別な番号だ。関係者によると、実は田中は15にこだわりを持っているというが、残念ながら背負うことは不可能だ。
さらに、田中は11番にも縁がある。駒大苫小牧高では、2005年の第87回大会で2年生ながら主戦投手として甲子園連覇に貢献。この時に付けていたのは11番だった。さらに、尊敬するダルビッシュ有(レンジャーズ)の番号でもある。ただ、これも現在は生え抜きのブレッド・ガードナーが背負っている。イチローと共にトレードの噂もあったが、どうやら残留が濃厚のようだ。もし今オフの間に空き番号になれば、田中が選ぶ可能性もゼロではない。
こうやって見ていくと、空いている14、17、19、20が有力候補として浮かび上がってくる。そして、やはり17が最有力となりそうだ。昨年3月の第3回WBCで背負い、この4つの中では唯一、田中に直接の縁のある番号だ。侍ジャパンの絶対的エースとして臨んだ大舞台では力を発揮できず、チームも準決勝で敗れて3連覇を逃しており、決して良いイメージはない。ただ、それを糧にシーズンでは24勝0敗、防御率1・27という伝説的な成績を残した。負けん気の強い右腕が「17でリベンジを」と考えるのは、最も自然な流れと言えるかもしれない。
また、14番は日本では沢村栄治のイメージが強い。2度の沢村賞受賞歴がある田中が、伝説の名投手にあやかりたいと考えても、決して不思議ではない。さらに、ヤンキースでは故・伊良部秀輝氏が付けていたという縁もある。