いよいよプロ野球がキャンプイン 今年のセ・リーグ6球団の注目はどこ?
バレンティンは遅れを取り戻すことができるか
横浜DeNAベイスターズの見どころは、先発ローテーション争いだ。昨年のチーム防御率は4・50とリーグ最下位。オフには投手陣を整備し、阪神から久保康友投手をFAで獲得した。さらに、巨人やエンゼルスで活躍したベテランの高橋尚成投手も加入。兼任コーチとなったエース・三浦大輔投手は、ベテランの力を発揮して、3人でローテーションを固めることを強く誓い、「おっさんローテ」を提唱した。
中畑清監督は昨年、新人ながら規定投球回をクリアした三嶋一輝投手らの成長から、「若手への期待が大きいから、ベテランがローテに入りきらないかもしない」と発言していた。そのコメントに三浦は異を唱え、「おっさんローテ」を強調したのだった。2人は報道陣を通じて火花を散らしたが、これもチームを盛り上げたい、チームに刺激を与えて活性化を図りたいという姿勢からきたもの。いわば、チームを強くしたいという共通認識のもとでの舌戦だった。今後も中畑監督、三浦兼任コーチの闘志むき出しのチーム作りに期待したい。
最後に、ヤクルトのキャンプの注目はやはり昨年、脚光を浴びた2人のタイトルホルダーだろう。2年目の最多勝右腕、小川泰弘投手と60発男のバレンティン外野手である。
小川は館山昌平、石川雅規らと開幕投手争いをすることになる。2年目の調整はどのように進めていくのかも見どころの一つ。また昨年の小川のように、ドラフト1位ルーキーの杉浦稔大投手がどんな投球を見せるのかにも注目だ。
一方のバレンティンには好奇の視線が集まるだろう。夫人への暴行、監禁容疑で逮捕され、保釈。無事、キャンプ初日からチームに合流することができたが、本塁打記録を塗り替えた男は、今回の騒動のせいでメディアの注目度が倍増する結果となった。
ただ問題なのは、他の選手たちが自主トレーニングを積んでいる期間に、一連の騒動の影響で、軽く体を動かす程度しかできなかったこと。近年ではオフの間にどれだけ個人練習を積んだかで、開幕時の結果が左右されている。今年も本塁打量産を目指す助っ人は2月1日から必死で遅れを取り戻すしかない。沖縄・浦添の球場でのキャンプで、バレンティンはどんな動きを見せてくれるのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count