マー君を成功に導くキーマン・黒田博樹 早くも生まれつつあるヤンキースの日本人師弟関係
黒田博樹、田中将大との間に生まれている師弟関係
ヤンキースの田中将大投手(25)には最高の環境と言えるだろう。初のメジャーキャンプを過ごすルーキー右腕を優しくサポートしているのが、渡米7年目を迎える黒田博樹投手(39)だ。練習の違いや言葉の壁に戸惑う田中にアドバイスを送り、チームにスムーズに溶け込む手助けもしている。投手としてのタイプも似ていると言われる14歳差の2人の間には、早くも師弟関係が生まれ始めている。
ヤンキースのバッテリー組がキャンプインを迎えた今月15日、2人の日本人が練習中のキャッチボールでコンビを組んだ。“打診”したのは先輩の方だった。
「黒田さんから声をかけていただいて」
この瞬間のことを、田中は練習後に嬉しそうに振り返っている。そして「(練習の)グループがいろいろあるので、一緒であれば(これからもキャッチボールを)していただけるのかな」と今後のコンビ継続も希望した。実際に、2人はキャンプインしてからずっとボールを通しての会話を続けている。
キャッチボール以外でも、田中が練習中に少しでも戸惑った素振りを見せていると、黒田はさりげなくアドバイスを送る。メジャー7年目、ヤンキースでも3年目を迎えるベテランにとっては、日本とは全く違う練習メニューも慣れたもの。英語での説明を聞き取ることにも問題はない。
一方で、田中にも通訳が付いているとはいえ、守備練習などでマウンドの真横まで行き、指示を訳すことまでは出来ない。そんなときに、すかさず黒田が隣で内容を説明している。先発投手陣での雑談が始まれば、後輩も輪の中に招き入れて、笑顔で話をしている。
「(田中は)しっかり落ち着いて、自分のペースで出来ていると思いますし、違和感なくやれているんじゃないかな。これから徐々に彼なりにも色んなことが見えてくると思うので、その中で多少なりともアドバイスしていければいい」。