キャンプ打ち上げ 巨人の収穫は独立リーグの星

支配下登録を目指し戦いを続ける土田

 各球団とも続々とキャンプを打ち上げており、3月からは本拠地などで本格的に実戦がスタートする。開幕1軍を目指す者や開幕へ向けて少しずつピッチを上げる者など調整の仕方は人それぞれ。ただ、この男はそのような選手たちとは違う。巨人の育成右腕、土田瑞起投手(24)は、支配下登録を目指し、必死に戦っている。

 土田は2011年のドラフト会議で四国独立リーグの愛媛マンダリンパイレーツから育成ドラフト2位で入団した右投手。長崎県出身で、鎮西学院高校ではエースで4番としてチームを牽引し、夏の県大会はベスト8。卒業後は独立リーグの長崎セインツにトライアウトで入団し、プレーを続けた。

 当時から140キロ後半のストレートが持ち味で注目されていた。その後、チームは資金難で解散したが、愛媛へ移籍し、プロ入りを実現。「素直にうれしいです。1日でも早く支配下登録されて、活躍してファンの皆様に恩返しをしたい」。その夢まであと一歩のところまで来ている。

 独立リーグは、プロ選手ではあるものの、給料は安い。その分、グラウンド、ユニホーム、ファンと、野球が続けられる環境が用意されているのだから仕方がないとも言える。コンビニでアルバイトをする選手、土木作業のバイトをする選手など、野球以外で生計を立て、夢を叶えるために寝る間も惜しんで努力している。

 土田もそうだった。独立リーグの月給は10万円前後。家賃は3万円。アルバイトでは人参などの野菜を箱に詰める収穫作業などを行っていた。だからこそ、育成でも野球だけで生計を立てられることに喜びを感じている。

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