超大物「二刀流」の誕生に全米が注目 大学アメフト界最高の選手がMLB入りを目指す

ボー・ジャクソンの再来なるか

 オープン戦の前には「ウィンストンがヤンキースと対戦する」と米メディアが大きく取り上げ、ヤンキースがマイナー選手中心のメンバー構成だったため、大きな注目を浴びた。5回途中から大歓声の中でレフトの守備に入ると、二ゴロの後には見逃し三振といいところはなかった。それでも、この試合の主役はウィンストンだった。

 ゲームが終わると、地元記者、そしてヤンキースの番記者に囲まれたウィンストン。その数は30人以上で、周りには大きな輪が出来上がった。ただ、スター候補は堂々たる取材対応で大物ぶりを発揮。試合前、ケン・グリフィーjrと共に少年時代のお気に入りだったデレク・ジーターと面会したことを明かし、「グリフィーjrとはもう会ったことがある。これで僕の人生は終わってもいい」と話すと、辛辣なニューヨーク・メディアからは爆笑が巻き起こった。

 ジーターの他にも、マーク・テシェイラ、すでに引退して特別インストラクターとしてキャンプに参加しているホルヘ・ポサダ氏とも話す機会があったという。ウィンストンは大のヤンキースファンということもあり、この日の体験を「多分、全国大会で優勝するよりもよかったよ」と笑顔で振り返った。

 米国の「二刀流」といえば、ボー・ジャクソンが有名だ。MLBとNFLの兼業選手として長期にわたって活躍し、どちらでもオールスターに出場した。9月までは野球選手としてプレーし、10月以降はアメフト選手として活躍。NFLへの出場は開幕から1か月以上たってからとなったが、トップクラスの成績を残している。

 野球ではロイヤルズ、ホワイトソックス、エンゼルスで外野手として通算694試合に出場し、打率2割5分、141本塁打、415打点。アメフトではロサンゼルス・レイダーズでランニングバックを務めて、4シーズンで38試合に出場してランで2782ヤードを獲得した。

 また、ディオン・サンダースもMLB、NFLの両スポーツで活躍。ボー・ジャクソンと違ってNFLを優先したものの「同じ週にMLBで本塁打、NFLでタッチダウン」、「ワールドシリーズとスーパーボウルの両方に出場」など、現在でもサンダースしか成し遂げていない数々の記録がある。

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