名将同士が早くも心理戦を展開!? 第86回センバツ高校野球初戦の最大の注目は「智弁和歌山VS明徳義塾」
さっそく始まっている心理戦
対戦が決まったことについて両監督の答えはほとんど同じだった。
高嶋監督が「試合で勉強をさせていただきたい。馬淵監督はいろんな作戦を持っているから。『えっ? えっ?』ってこちらがベンチで思ってしまうくらい。なるほどなぁ……って勉強になるんですよ」と話せば、馬淵監督も「大監督ですから、野球を教えていただきたい。みんなが見本にしている監督ですからね。ゲームをやってこんなにうれしいことはないですよ。結果が悪ければ、次への戦いの気力になりますから」と話した。
素直な気持ちを表現しているだけなのかもしれないが、さっそく褒め殺し作戦、心理戦が始まったともとらえることができるコメントだった。
1年生の夏からマウンドに上がる岸潤一郎投手がエースの明徳義塾。試合は大会4日目の第3試合、午後2時試合開始とあり、馬淵監督はほっとした様子だった。岸は低血圧でできれば朝一番の試合は「投げさせたくなかったんです」と胸の内を明かすと、高嶋監督は「春は雨が多いからねぇ……。(中止になって次の日の)朝になることだってあるかもしれないよ」とチクリ。2人は顔を見合わせて笑っていた。
会話の呼吸もなんだか合っている。頻繁に食事にいく間柄でも、戦いとなれば別。褒め合っているが、本心は、選手のためにも、どんな作戦を使っても勝ち上がることだろう。初戦から好カードがある今センバツ大会。ベテラン監督の対戦は、高校野球ファンも目が離せない一戦となる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count