メジャーリーガーの「生の声」から探る田中将大のハイレベルな3球種

メジャーリーガーもスライダーの鋭さに驚きを隠せない

　さらに、スライダーの鋭さにもメジャーリーガーたちは驚きを隠せない。ガルビスは1打席目で縦に落ちる、いわゆる「縦スラ」で一ゴロに打ち取られている。記者からは「あれはスプリットか？」と聞かれるほどの、落差のあるボールだった。ただ、田中のスライダーは1種類だけではないところに、恐ろしさがある。

「あれはスライダーのようだったね。とても落差のあるスライダーだった。彼のスライダーには速いボールと、フリスビーみたいに（大きく）変化するボールがあるんだ。そのフリスビースライダーにやられたよ。あのボールもすごくいいね」

　スプリットに負けない決め球がもう1つあるからこそ、打者は戸惑い、田中に有利に勝負が進む。ガルビスは「2ストライクまで追い込まれると、いろんな球への対応を考えなくてはいけなくなる」と話す。しかも、どのボールも制球がいいとくれば、相手は苦しい。ハワードは田中のコントロールを絶賛する。

「ほかの選手とも話したけれど、彼はどの球種も制球がいい。すべて自分の投げたいところに投げられているね。対応するのは本当に難しいよ」