田中将大、黒田博樹の勝ち星が消える? ヤンキースのブルペンに潜む危うさ
セットアッパーも現時点で確定していない
ロバートソンの“昇格”で空位となったセットアッパーも、現時点では確定していない。有力候補は右腕のショーン・ケリー(29)、プレストン・クレイボーン(26)、そして新加入の左腕マット・ソーントン(37)の3人だ。ただ、昨年の防御率を見てみると、順に4・39、4・11、3・74と心許ない数字が並ぶ。
ケリーとクレイボーンは確かに昨年のブルペンを支えた功労者だ。2人とも若く、球に力があり、能力は高いが、後半はやや息切れした。
ケリーはメジャー通算5年で登板は177試合、シーズン最多は昨年の57試合と経験値は決して多くない。有望株としてマイナーから育ってきたクレイボーンにいたっては、昨年5月にデビューしたばかり。メジャー登板は44試合しかなく、今季はどんな結果が出るか未知数だ。
また、ソーントンは通算10年で568回1/3を投げて防御率3・53とメジャー屈指の救援左腕だが、昨年は衰えが目立った。
シーズン途中に7年半在籍したホワイトソックスからレッドソックスに移籍したものの、ポストシーズンでは大事な場面での登板はなく、世界一に貢献したとは言い難い内容だった。オープン戦も、ここまでは5試合に登板して3イニングを投げ、防御率9・00と不安定な投球が続いている。
3人とも、昨年のロバートソンに比べると、不安定と言わざるをえない。
投手枠が12人と考えると、先発はCC・サバシア、黒田、田中、イバン・ノバに好調のマイケル・ピネダを加えた5人が濃厚。さらに、ロバートソン、ケリー、クレイボーン、ソーントンを加えれば、残る枠は3人となる。
現時点で開幕メンバー入りが濃厚なのは、ピネダと先発5番目の椅子を争っているデビッド・フェルプス(27)か。ただ、先発投手が崩れた場合の、いわゆる「ロングマン」を任されることになるだろう。