選抜高校野球で準優勝の履正社・岡田龍生監督 「前後裁断」で夏にリベンジ
中学時代までは野球にまったく興味がなかった
優勝監督になるのと、ならないのとではスポットライトの当たり方が全く違う。第86回の選抜高校野球で惜しくも準優勝に終わった履正社高校(大阪)の岡田龍生監督(52)は夏へ向けて闘志をみなぎらせた。「力負けでした。負けには負けの理由がある。チーム力を上げて、戻ってきたい」と龍谷大平安のナインが喜ぶのを横目にグラウンドを去った。
もし優勝していたら、岡田監督のキャリアも注目されていたであろう。中学校まではバレーボールに汗を流す毎日だった。野球には「まったく興味がなかったくらい」。ただ、ハイレベルな高校でプレーするためには上背が足りなかった。バレーボールで上を目指すのは諦めた。
東洋大姫路高校に進学し、特に野球の知識もないまま野球部へ入部。「バレーボールはネットがあって限界はあるけれど、野球には関係ない」とバレーボールで培った根性と身のこなし、くらいつく姿勢で1番・三塁手のポジションを獲得。キャプテンで1979年の選抜に出場した。
「学生時代はとにかくやらされる練習しかしていなかった。それは一体よかったのか」
当時の監督の教えを否定するつもりはないが、そんな思いもあった。そのため、自らの現役時代の反省や経験を踏まえたチーム作りをしている。
最近ではオリックスのT-岡田やヤクルトの山田哲人らを輩出。オフになって戻ってきた教え子に「自分から考えてやった練習とかは今になって役立っているなと感じています」と言われた。そこで自分のやり方は間違っていないと確信した。