今後も到達可能な大記録が目白押し イチローにとって“価値ある”記録を読み解く

日本記録に迫るのは得点と三塁打

 出場試合と同様に日本記録に迫っているものでは、得点もある。

 現在、イチローは日米通算1923得点。王貞治の1967得点までは「44」まで近づいている。王貞治が本塁打の世界記録保持者であることを考えれば、イチローがどれだけ多くの打席に立ち、ヒットを放って塁に出て、さらには盗塁を決めて、味方のタイムリーで本塁に生還してきたのかが分かる。間違いなく価値のある記録と言えるだろう。今季中に達成される可能性も十分だ。

 塁打数の更新は、やや厳しいか。王貞治の「5862」までは残り402塁打の「5460」。ただ、世界一の本塁打王の王に、単打の多いイチローがここまで迫っているというのは、ある意味で驚きでもある。(ちなみにイチローの単打数は3156本で、世界一のピート・ローズは3215本)。

 この塁打数で鍵を握る数字の1つとなるのは、三塁打の数だ。イチローの106本は、福本豊が持つ日本記録の115本まで迫っている。これも2年はかかる数字だが、現状ではさらに時間を要する可能性がある。

 昨年の日米通算4000本安打にも決して劣らない、偉大な記録が達成される瞬間を今季も見ることができるかもしれない。ヤンキースから移籍すれば、達成までの速度が加速する可能性もあるが、それを本人が望むかは分からない。

 まずは、ヤンキースの中でどうすれば定位置をつかみ、試合に出続けることが当たり前の状況を作れるかを、今は考えているはずだ。40歳になっても、イチローの挑戦は終わらない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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