初対戦では完敗も、アルバート・プホルスが今後の田中将大の攻略に自信を見せる
試合後に不敵な笑みを浮かべたプホルス
また、プホルスは初回に内角低めへのツーシームで三振。最後はハーフスイングでの空振りだった。相手が苦手なコースに苦手な球種を投げ込み、バッティングをさせなかった。
3回の2打席目には、2球続けて内角高めの胸元にツーシームを投じると、のけぞるようによけたプホルスから強烈な「にらみ」をきかされ、そのまま四球を与えてしまう。しかし、3打席目には1ストライクから再び内角低めへのツーシームを振らせ、最後は外角へのツーシームで二ゴロに仕留めた。
相手にどんな反応があっても、内角へ投げ込むことを怖がらず、しっかりと自分の投球を続ける。その姿勢に、ジョー・ジラルディ監督も「彼は戦う男だ」と感心した。
もっとも、通算501本塁打を誇るプホルスは、試合後に不敵な笑みを浮かべた。それは、ノーヒットに終わった打者のものとは思えないもの。トラウトと同様に、低めに集まるスプリットに賛辞を送りはしたが、田中のボールを打席に立って見たことで、何かをつかんだようだった。
「日本で素晴らしい成績を残したといっても、メジャーでは1年を通じて成功を収めるのはとても大変なことだ。メジャーリーガーはアプローチの仕方を分かっている」
まるで、次の対戦では攻略できると言わんばかりの口調だった。
現時点で田中は敵地でのエンゼルス戦では先発しない予定となっているため、今季中の再戦はなさそうだ。ただ、来季以降もプホルスとの対戦から目が離せないことだけは間違いない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count