FA選手はスタートダッシュが切れたのか 開幕からここまで1番輝いたのはだれ?

Cランクの中田賢一が最も良い成績を収めている

【Cランク】

▽オリックス・山崎勝己捕手(前所属ソフトバンク)

 ここまで18試合に出場。先発マスクは2戦2敗も、伊藤に代わっての途中出場が多い。11打席に立っているがまだヒットは出ていない。

 山崎のハートの強さ、物怖じしない性格はチーム内では高い評価。先輩に対しても、ものをはっきりと言うタイプだという。途中から出場して、それまでとはガラッと変わった配球で相手の打線を惑わせて、抑えてきた。オリックスの4月の快進撃を陰で支えている。伊藤との正捕手争いも今後、出てきそうだ。

▽中日・小笠原道大内野手(前所属巨人)

 活躍の場を求めて、巨人を出た小笠原。開幕1軍を勝ち取り、代打での仕事が続いている。20試合に出場し、23打数8安打。打率は3割4分8厘。2試合だけ先発出場もあった。巨人時代にはなかったひげもたくわえて、昨年までとは違った刺激を受けながら戦っている。名前が呼ばれるだけでスタンドも沸いている。広いナゴヤドームでは本塁打を放つなど、出場4試合連続安打もあった。

 主に代打の出場で3割5分に近い打率。小笠原の生きる道は、代打での1打席にいかにしがみつき、結果を出すのかにかかっている。ここまでは攻めの甘くなる点差の開いた場面なども多かったため、5月以降、厳しい場面での代打でこの打率を維持できるかが注目である。

▽ソフトバンク・中田賢一投手(前所属中日)
 
 FA8選手の中で最も好スタートをきった選手だろう。今季は5戦5勝。防御率2・18。中日では伸び悩み、昨年は4勝どまり。移籍してから、また勢いを取り戻し、早くも昨年の勝ち星を超えてしまった。3月29日の開幕2戦目を任された。地元福岡での登板で6回2失点。「野手の方々に助けられました」と援護もあって勝ち投手になった。粘りの投球を見せて、安堵した様子だった。これからどこまで白星を伸ばしていくか、楽しみな存在である。

 投手において、国内FA移籍1年目に10勝以上したのは、1995、2000年の工藤(ダイエー、巨人)、08年の石井一久(西武)、12年の杉内(巨人)の3人だけ。過去21人のFA移籍組のうち11投手が1勝もしくは未勝利と、厳しい戦いを強いられている。大竹、涌井、中田はひとまず、その関門は突破した。前例を打ち崩し、2ケタ勝利を目指してもらいたい。

 開幕からのこの間、FA戦士の中ではランクCの中田賢一投手が最も成績を収めていると言えるだろう。疲れの見え始める5月。中田がこのまま走り続けるのか、他の選手の勢いが勝るのか。今後もFA戦士たちの活躍を期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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